研究課題
本年度のテーマであるグローバル化と紛争解決との関連では,2018年6月3日に開催した第6回研究会で,角崎洋平・日本社会福祉大学准教授から「生活協同組合の生活相談・貸付事業」と題する報告をして頂き,生活協同組合のガバナンスを素材とする国家法と非国家法の関係を検討した。また,研究の全体的な総括を目的として,2019年3月5日に国際ワークショップを開催し,約30名程度の参加者を得て,法執行・紛争解決のグローバル化に関する各国の議論状況を検討した。まず,研究代表者の原田大樹が,Globalization on Policy Materialization and the Future of the Japanese Lawと題する基調報告を行い,本科研の研究成果を紹介するとともに,現在問題として顕在化しつつある日本法におけるグローバル化の解釈問題を提示した。次に,ドイツのベルリン・フンボルト大学のChristian Waldhoff教授が,国際租税法の観点からドイツ法・EU法・国際法の相互関係や執行協力の状況,さらに会計検査院の対外的活動についても紹介する報告を行った。また,ドイツ・ハレ大学のWinfried Kluth教授が,移民法を素材に,ドイツ法の現状を紹介するとともに,国連の移民に関するグローバルコンパクトが持つ法理論的特性や可能性を示した。最後に,パリ第1大学のMathias Audit教授が,投資協定仲裁に代わる新たな紛争解決手段としてEUが重視する投資裁判所構想の利点や問題点を明らかにする内容の報告を行った。ドイツ・フランスのゲストからは,本科研の研究成果に対する肯定的な評価が得られた。さらに,本科研で招聘したAudit教授は,東京・関西で,本科研と関連する研究会を複数回開催し,興味関心を共通にする日本の研究者との交流を深めた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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