研究課題/領域番号 |
16H03577
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保 文明 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00126046)
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研究分担者 |
山岸 敬和 南山大学, 国際教養学部, 教授 (00454405)
宮田 智之 (近藤智之) 帝京大学, 法学部, 准教授 (00596843)
菅原 和行 福岡大学, 法学部, 教授 (90433119)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 予備選挙 / イデオロギー / 分極化 / アイデンティティ / 収斂 / アメリカ / 民主党 / 共和党 |
研究実績の概要 |
本課題は、トランプ当選からバイデン当選までの時期に実施された。それ以前についてのデータおよび研究成果に、この間に生起したことも加えて、最終年度の研究を遂行した。 もっとも重要な成果として予備選挙の重要性とその役割の変化が確認された。年来の共和党員でなく、民主党・改革党・無所属など政治的立場を変転させてきたトランプが、2016年に一部共和党主流と異なる政策を掲げて共和党大統領候補の指名を獲得したが、これは予備選挙制度がなければ起こりえなかった。トランプは白人労働者層での高支持率を梃に、18年中間選挙においても共和党予備選挙に介入して、反自由貿易、反不法移民、反国際主義の支持者を増やした。 イデオロギー的分極化の亢進については、より洗練された議論が必要な段階に入っている。人種・民族・性・性的指向などアイデンティティの領域においては、分極化が一挙に進みつつあるが、通商・財政・対中政策などでは収斂も観察できる。政策案との関連でも、共和党予備選挙においてトランプ路線に大きな支持が寄せられた。ただ、通常みられるシンクタンクを通じた政策案の提示でなく、トランプの場合は反ワシントン的ポピュリズムの発露という性格が濃厚である。これは民主党サンダース上院議員の16年・20年選挙戦でも観察できる現象である。このあたり、政策案が政策に結実する回路として、シンクタンクのみならず予備選挙が果たす役割を想定することが必要となっている。この知見も本研究の重要な成果である。 これらに関連する多数の成果を刊行したが、以下がその代表例である。久保編著・宮田著『トランプ政権の分析-分極化と政策的収斂との間』、久保『現代アメリカ講義 トランプのアメリカを読む』、久保『アメリカ大統領選』、久保「アメリカ大統領選挙-二つの現実と二つの国民」『外交』、山岸「アメリカニズムと医療保険制度」『アステイオン』。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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