研究課題/領域番号 |
16H03587
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
木村 幹 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (50253290)
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研究分担者 |
金 誠 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (40453245)
浅野 豊美 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60308244)
金 世徳 芦屋大学, 臨床教育学部, 教授 (80600098)
田中 悟 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (90526055)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 歴史認識問題 / 日韓関係 / 日本 / 韓国 / 慰安婦 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトにおいては、平成29年度は日韓両国の政策当局者を中心としたインタビューを行った。より具体的には6月と7月において東京で当時の日本側政権ブレインと外交官、8月にソウルにて韓国側外交官及び市民運動団体関係者、更には12月に香川にて日本側運動団体関係者、翌平成30年1月には東京にて日本側外交官に対して、立て続けにインタビューを行い、90年代における慰安婦問題に関わる当時の関係者の知見を数多く獲得した。 この結果明らかになったのは、次の二つの事である。第一に、日韓それぞれの国内においても、当時の関係者は一致した認識を有しておらず、その事が両国における国内でのこの問題に関わる理解の形成への阻害要因となった事であり、第二は90年代初頭における国際連合を主たる舞台とする運動が韓国政府側の慰安婦問題に対する認識に変化を齎す一方で、日本側の認識には大きく影響せず、その事がこの後、日韓両国における慰安婦問題への認識を大きく分ける原因となった事である。 この様な知見を披露するべく、本研究プロジェクトチームは、平成30年3月にアメリカ合衆国ワシントンにて開催されたAssociation for Asian Studies 年次大会の場において独立セッションを設定し、木村、金容民、金世徳、金世徳の4名がそれぞれ日本政府当局者、韓国政府当局者、韓国側市民運動関係者、日本側市民運動関係者の90年代における認識に関わる報告を行い、これらの報告は直後から参加者から、そのさらなる具体的な内容に関わる問い合わせや国際共同研究の誘いを受けるなど、高い関心を獲得した。これにより本研究は当初の目的を大幅に超過達成し、次なる段階に入ることが出来たと評価できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、政策当局者等へのインタビューや主要国際学会での調査報告は平成30年度以降に予定されていたが、本研究においてはこの目標を平成29年度の段階で達成することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
超過達成された調査項目をはじめとする部分において、再度インタビュー対象者を変えて調査を行うと共に、その調査結果の報告を出版社を通じて書籍として出版する事を目標とする。これにより研究成果を広く問うと共に、アカデミアにおいて一定の議論を引き起こし、さらなる議論を活性化させていく事に務める。
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