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2018 年度 実績報告書

地中海の移民・難民問題とEUによるガバナンス形成―南欧諸国の戦略を軸に

研究課題

研究課題/領域番号 16H03588
研究機関神戸大学

研究代表者

坂井 一成  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60313350)

研究分担者 細田 晴子  日本大学, 商学部, 准教授 (00465379)
八十田 博人  共立女子大学, 国際学部, 教授 (70444502)
岡部 みどり  上智大学, 法学部, 教授 (80453603)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード国際関係論 / 移民 / ガバナンス / ヨーロッパ / 地中海 / 南欧 / 難民
研究実績の概要

2018年度は(a)EUとしての地中海での移民・難民問題への対応分析、(b)EUとしての対応への南欧諸国からの影響分析に加え、(c)地中海対岸地域からのEU・南欧へのアプローチについて検証を進める。
(a)については岡部が担当し、前年までに集めた資料を基礎にしながら、さらなる資料の収集とともに分析を進めた。これと協働しつつ(b)として坂井、八十田、細田が各々フランス、イタリア、スペインの政策の展開とEUへの影響力行使の過程を掘り下げた。そして(c)について、北アフリカ、トルコの専門家との意見交換を進め、EU・南欧の戦略の相対化を行って問題状況の客観的理解に努めた。
8月~9月に各研究者が現地調査を含めた分析作業を進め、11月に日本国際政治学会において「難民保護と国境管理のための南欧諸国間協力-EU及び域外諸国との対話を中心に」と題するパネルをもった。ここでは岡部が全体のコーディネート、細田が司会を務め、坂井が「地中海の移民難民問題をめぐるフランスの戦略」、八十田が「地中海移民難民保護とイタリア-国家と市民の相互作用-」という発表を行った。ここにトルコ政治と中東政治の専門家の報告者と討論者としての参加を得て、地中海を取り巻く南北双方からの視点に立つ議論を交わした。そして1月には上智大学でシンポジウムを行い、岡部が「瓦解に向けた統合?ーEU出入国管理の制度的欠陥ー」、細田が「地中海諸国とEUの架け橋?-スペインの移民・難民政策」の報告を行い、3年目としての括りとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

南欧諸国(フランス、イタリア、スペイン)及びEUの各々における移民難民政策の分析と、南欧諸国の移民難民政策とEUのそれとの相互関係について、現地調査及び文献調査のいずれも順調に進んだことで、次第に明らかになってきた。加えて、地中海を取り巻く移民の送出側の国の観点を掘り下げることもできたことで、地中海の移民難民問題とそれへの政治的アプローチの全体像を析出することにつながった。

今後の研究の推進方策

最終年度として、ここまでの成果を踏まえ、EUと加盟国の権限のぶつかり合う移民政策において、南欧諸国の影響が果たす役割の評価を行う。つまり、南欧諸国(あるいはそのなかでも特定の国)の戦略が、EUの移民政策そのものに与えている影響、並びに加盟国の移民政策に与えている影響を析出し、その両者の収斂と対立状況を検証する。
5月にグローバル・ガバナンス学会(神戸大学で開催)に岡部と坂井が参加して、移民政策の欧州化とガバナンス形成に関する枠組提起を行い、7月に神戸大学で各研究分担者が調査検討の見通しを報告して議論し、これを踏まえて8月~9月に各自が現地調査を行う。9月末にはナポリ東洋大学で、2月に神戸大学でセミナーを行い、研究の総括を行う。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)

  • [国際共同研究] ナポリ東洋大学/ナポリ・フェデリコII世大学(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      ナポリ東洋大学/ナポリ・フェデリコII世大学
  • [国際共同研究] パリ・ナンテール大学/パリ・ディドロ大学/パリ政治学院(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      パリ・ナンテール大学/パリ・ディドロ大学/パリ政治学院
  • [雑誌論文] Beyond ‘Europeanisation beyond Europe’ -the EU-Asia Dialogue on Migration as an Alternative Form of Cooperation2018

    • 著者名/発表者名
      Midori OKABE
    • 雑誌名

      S. Carrera, A.P.L. den Hertog, M. Panizzon and D. Kostakopoulou eds., EU External Migration Policies in an Era of Global Mobilities: Intersecting Policy Universes, Brill Nijhoff

      巻: - ページ: -

    • 国際共著
  • [学会発表] 地中海諸国とEUの架け橋?-スペインの移民・難民政策2019

    • 著者名/発表者名
      細田晴子
    • 学会等名
      ワークショップ「欧州難民危機の検証―EUの連帯はどこでつまずいたのか?」
    • 招待講演
  • [学会発表] 瓦解に向けた統合?ーEU出入国管理の制度的欠陥ー2019

    • 著者名/発表者名
      岡部みどり
    • 学会等名
      ワークショップ「欧州難民危機の検証―EUの連帯はどこでつまずいたのか?」
    • 招待講演
  • [学会発表] 地中海の移民難民問題をめぐるフランスの戦略2018

    • 著者名/発表者名
      坂井一成
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [学会発表] 地中海移民難民保護とイタリア-国家と市民の相互作用-2018

    • 著者名/発表者名
      八十田博人
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [学会発表] L’immigration au Japon et en France2018

    • 著者名/発表者名
      Kazunari SAKAI
    • 学会等名
      Conference sur le Japon d’aujourd’hui, The Japan Foundation/Fondation Franco-Japonaise Sasakawa, La Fondation Franco-Japonaise Sasakawa, Paris, le 6 decembre 2018
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日仏の外国人・移民問題2018

    • 著者名/発表者名
      坂井一成
    • 学会等名
      シンポジウム「グローバル・プレイヤーとしての日仏協力:日仏協力の現実と未来」(第2期第2回「日仏対話週間」企画シンポジウム)(国際交流基金「ジャポニスム2018」)、2018年12月8日、パリ日本文化会館
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 五つ星運動の欧州における主流化の可能性2018

    • 著者名/発表者名
      八十田博人
    • 学会等名
      日本EU学会

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公開日: 2019-12-27  

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