研究課題
本年度は、2018年秋に日本国際政治学会で行ったパネル報告と、2019年1月に上智大学で行ったシンポジウムにおいて披瀝した本研究の成果を踏まえ、最終年度として未解明になっている箇所のフォローアップを行った。具体的には、EUと加盟国の権限のぶつかり合う移民政策において、南欧諸国の影響が果たす役割の評価に重点を置いた。つまり、南欧諸国(あるいはそのなかでも特定の国)の戦略が、EUの移民政策そのものに与えている影響、並びに加盟国の移民政策に与えている影響を析出し、その両者の収斂と対立状況の検証である。坂井、八十田、細田が各々フランス、イタリア、スペインの政策の展開とEU及び他の加盟国への影響力波及の過程を掘り下げた。岡部は各国からの政策圧力がEUの政策過程に与える影響を精査した。以上の作業を踏まえ、EUにおける移民政策の欧州化(Europeanization)の仕組みと、移民・難民をめぐるガバナンス形成の仕組みの解明を進めた。2019年5月にグローバル・ガバナンス学会(神戸大学で開催)に岡部と坂井が参加して、移民政策の欧州化とガバナンス形成に関する枠組提起を行い、各研究分担者が調査検討の見通しをメールにて共有し、これを踏まえて8月~9月に各自が現地調査を行った。9月末にはナポリ東洋大学ででワークショップを行い、研究の総括を行った。こうした成果を、坂井一成・八十田博人編『よくわかるEU政治』(ミネルヴァ書房、2020年4月刊行)の随所に盛り込んだ。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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上智ヨーロッパ研究
巻: 12 ページ: 47-64
生活経済政策
巻: 276 ページ: 27-30
巻: 12 ページ: 3-16
International Relations and Diplomacy
巻: Vol.8, No.2 ページ: 45-54
10.17265/2328-2134/2020.02.002
渡邊啓貴・上原良子(編)『フランスと世界』法律文化社
巻: - ページ: 245-251