研究課題/領域番号 |
16H03613
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
文 世一 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40192736)
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研究分担者 |
森 知也 京都大学, 経済研究所, 教授 (70283679)
伊藤 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30516000)
寺地 祐介 帝塚山大学, 経済学部, 准教授 (30610092)
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 交通経済学 / 輸送費 / インフラストラクチャ / ネットワーク |
研究実績の概要 |
A 輸送業者の行動と市場均衡における輸送費の決定(文): ヘドニックアプローチに基づいて輸送市場の理論モデルを構築した。荷主は輸送サービスを需要するが、できるだけ安価で質の高いサービスを供給する運送業者を選ぶ。運送業者は、労働(ドライバー)、資本(トラック)、高速道路利用などの投入要素選択を行い、様々な属性の組み合わせに対して価格(運賃)を提示する。均衡において運賃とサービスの質(所要時間)が決定される。 基本モデルの定式化と比較静学分析、そしてインフラストラクチャ整備の便益評価式を導出した。 B 輸送機関によるネットワーク戦略と輸送費の決定(文、寺地):航空会社間の競争を通じて形成されるネットワークのモデルを構築するため、内外の関連研究レビューを行い、先行研究においての問題点を明らかにするとともに、基本モデルの定式化に着手した。 C 政府の交通政策と輸送費の決定(文、伊藤):複数政府が一つのインフラストラクチャ(たとえば国境の橋、トンネル)を共同して整備する場合のメカニズムを研究するため、次のようなモデルを定式化した。二つの国が出資して一つのオペレータを設立する。オペレータは、出資を受けてインフラストラクチャを建設し運営する(料金を徴収して維持管理)が、利潤を両国の出資割合にしたがって配分する。各国政府は自国の厚生を最大化するように出資の水準を選択する。オペレータの料金政策と各国の出資選択のゲームの均衡解において輸送費の水準が決まる。 D ミクロデータによる輸送費の計量分析(西山、森):「全国貨物純流動調査」のミクロデータを用いて、理論モデルのパラメータ推定を行うため、Aで開発した理論モデルに基づいて、推定に用いる運送費関数を特定化するとともに、推定手法の開発と、データ整備を並行して進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
計画に従って推進する。国内外の研究集会などで報告に努める。
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