イノベーションと労働者の多様性の空間経済学分析

2018 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 16H03615
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 経済政策
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 山本 和博 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (10362633)
• 研究分担者: 丸山 亜希子 流通科学大学, 経済学部, 准教授 (00508715) ; 佐々木 勝 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (10340647) ; 陳 珈惠 京都大学, 経済研究所, 助教 (20768238) ; 佐藤 泰裕 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30332703) ; 石田 潤一郎 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40324222) ; 川田 恵介 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (40622345) ; 森田 忠士 近畿大学, 経済学部, 准教授 (50635175) ; 小原 美紀 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (80304046)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: イノベーション / 労働者の多様性

研究成果の概要

本研究課題は、地域における労働者の能力の多様性とイノベーションの実態を明らかにし、それらを取り込んだ空間経済学理論の枠組みを構築してきた。空間経済学理論モデルを構築することにより、日本の大都市圏及び地方におけるイノベーション活動の停滞は、労働者の多様性の欠如、及び人材の空間的、及び組織間の流動性が不足していることに原因が求められることがわかってきた。地方政府に求められていることは、イノベーション活動を牽引する労働者の誘致だが、地方政府間に誘致競争になると、人材の誘致は失敗し、誘致競争にかかる費用が高くなるというジレンマに陥ることがわかった。

自由記述の分野

都市・地域経済学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の成果により、労働者の多様性の重要性が明らかになった。また、労働者の多様性だけではなく労働者の空間的、もしくは企業、組織間の流動性が重要であることも明らかになった。活発なイノベーション活動のためには、人材の多様性だけではなく、流動性も重要なのである。今後、日本で活発なイノベーションが起こるためには、限られた労働資源を有効に使うことが必要になる。その際、多様性を確保することとともに、労働者の流動性を高めることが重要である。具体的には労働者の地域間の移動や転職等が活発に行われる柔軟な労働市場こそがイノベーション活動を生み出すということである。