研究課題
グローバル化の進展が、顧客企業とのネットワークを通じて調達元企業の企業パフォーマンスにどのような影響を与えるかを検討を続けた。具体的には、顧客企業が海外からの調達を開始した時に、調達元企業の生産性、マークアップ率、雇用、平均賃金、売上高に与えた影響を検証した。本研究では、海外調達が内生的であることを考慮に入れるため、操作変数を使用した結果、主要な顧客企業が輸入を開始した時に、日本の製造業企業のパフォーマンスがどのように変化したかを検討した。当該分析により、顧客企業が輸入を開始すると、調達元企業に競争促進的な効果をもたらし、調達元企業は雇用維持を図ろうとするため、マークアップ率や生産性が上がりにくいことを示唆する結果が得られた。また、日本企業による中間財の国際調達が当該企業のパフォーマンス、特に輸出に与える効果に注目して分析した。まず、中間財の国際調達が企業の生産性に与える効果を分析したところ、既存研究と同様に生産性にプラスの効果があることが判明した。地域別には北米、欧州からの輸入の効果が大きく、中国からの輸入には効果が認められなかった。この結果から中間財の国際調達には技術のスピルオーバー効果があるものと解釈できる。加えて輸入は企業内における資源配分の効率化によって企業の生産性を高めるものと思われる。企業の生産性をコントロールしたうえで、事業所、企業の輸出行動に与える効果を推計したところ、中間財の国際調達は事業所及び企業の輸出の開始、輸出金額の増加にプラスの効果があることが判明した。この結果は、生産性向上による効果に加えて、価格の低下を通じて輸出が促進されることを示唆する。また中間財の国際調達には、事業所、企業の雇用へのマイナスの効果は認められなかった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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