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2016 年度 実績報告書

家族と社会関係資本の相互作用が非認知的能力に与える影響:パネルデータの構築と利用

研究課題

研究課題/領域番号 16H03628
研究機関西南学院大学

研究代表者

山村 英司  西南学院大学, 経済学部, 教授 (20368971)

研究分担者 筒井 義郎  甲南大学, 経済学部, 教授 (50163845)
浦川 邦夫  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (90452482)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード非認知能力 / 社会関係資本 / 家族 / パネルデータ
研究実績の概要

当初の計画では、1年に4回程度の調査を実施する予定であったが、予算制約のため1年に1回の調査を実施するように計画を変更した。筒井教授とともに調査票の作成を行い、第1回のウェッブ調査を実施することにより、約1万件の標本数の個人レベルのデータを集めることが出来た。研究費の申請段階よりも調査回数は減少したが、サンプル規模は予定通りのものとなっている。来年以降の本格的なパネル調査の改良の手がかりとして、集めたデータを基にして予備推計を行った。主な発見は次の通りである。
(1)非認知能力の形成が成人後の貿易の選好に影響を与える傾向がみられた。
(2)女性については、姓名が非認知能力の形成に影響を与えている。しかし、男性ではこのような姓名効果がみられない。学校教育における出席番号が人的資本の形成に影響を与えたことが示唆される。
これらの結果を踏まえ、共同研究者である筒井教授と意見交換を行い、仮説の設定や今後の追加調査項目などについて改良を加えた。 PISA調査については、浦川准教授とともにデータ構築にあたった。
研究協力者であるFabio Sabatiniは12月に来日し、共同研究のための具体的な方針について議論を行った。イタリアにおける自然災害が人々の主観的意識に及ぼす影響と教育の役割について、実証研究を進めることとなった。これを実現するためにFabio Sabatiniはイタリア人の研究チームを作り、データの構築と予備的な推計を進めている。
全体として4年計画の研究の初年度の成果としては順調であるといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年に4回程度の調査を実施する予定であったが、予算制約のため1年に1回の調査を実施するように計画を変更した。6月に第1回のウェッブ調査を実施した。事前の予想以上の、約1万件の標本数の個人レベルのデータを集めることが出来た。これを基にして、幼少期の生育環境が成人後の非認知能力や、主観価値、政策選好に与える影響などについて予備推計を進めている。
浦川准教授とのPISAデータ研究は、9月までデータ構築を進めた。これ以降は、浦川准教授が海外での研究滞在期間に入ったので、データ構築を休止し、仮説の構築および先行研究のサーベイなどを行った。
12月にはFabio Sabatiniが来日し、山村と研究のための具体的な方針について議論を行った。帰国後にあらたに3名から構成される実証研究チームを作り、研究を進めている。

今後の研究の推進方策

昨年度から引続きパネルデータの構築を行う。予備推計を行った際に新たな検証仮説を着想した。この検証を行うために、質問票の修正などを行い。6月ごろにウェッブ調査を行う予定である。
10月には貿易選好と非認知能力の相関について、本格的な推計を行う予定である。予測される結果は、フォーマルな教育およびsocial capitalが非認知能力を高め、このことより他国との協力関係が求められる国際貿易の支持につながることを論文にまとめる予定である。そして、Journal of International Economics等に投稿することを目指す。
PISAデータ研究はデータ構築・整理を再開し、浦川准教授とともに、予備推計を行う。Fabio Sabatiniとのイタリア研究グループとの研究は7月ごろにfirst draftを書く予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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