研究課題/領域番号 |
16H03629
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研究機関 | 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構 |
研究代表者 |
高山 憲之 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 理事長 (30102940)
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研究分担者 |
稲垣 誠一 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構, 研究部, 客員研究員 (30526380)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 世代間 / 年金 / 雇用 |
研究実績の概要 |
研究成果の主要内容は以下のとおりである。 1. 男性の年金受給者に着目すると、報酬比例部分に係る法定の受給開始年齢が 60 歳に据えおかれていたときに関するかぎり、定額部分に係る法定の受給開始年齢が段階的に 65 歳へ引き上げられても 60 歳から年金を受給しはじめた人が最も多かった。他方、報酬比例部分に係る法定の受給開始年齢が 60 歳から 61 歳に引き上げられたとき、該当する厚生年金加入歴 20 年以上の男性は、その過半が 60 歳時にも厚生年金に加入していた。そして 60 歳から老齢年金を受給しはじめる人の割合は激減した。報酬比例部分の受給開始年齢引き上げは多大な雇用促進効果と年金受給開始先送り効果の2つをもっていたことになり、定額部分の受給開始年齢を引き上げたときとは明らかに違っていた。 2. 新卒直後に正規労働者として就職したものの、5年以内に初職企業を離職した日本の男性は、その後、正規労働者にとどまる確率が低く、厚生年金加入年数も短くなる傾向があり、結果的に生涯所得も低くなりがちである。 3. 所得税と個人住民税の双方において配偶者控除を廃止し、世帯年収制限(所得税 670 万円、個人住民税 600 万円)つき夫婦税額控除(所得税 3 万 8000 円、個人住民税 3 万 3000 円)に切り替える場合、全体として減税組(30%)が増税組(12%)を世帯数で圧倒する。また、世帯年収 100 万円以 上 700 万円未満の中低所得層では減税組の方が増税組より多い。「負担増=多数派」説および「中間所得層 =負担増」説は、いずれも事実に反していることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に遅れが生じたが、繰越金制度を活用することにより、当初、計画した研究項目については、おおむねそのすべてを実施し、完了させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は当初の研究計画に沿って研究を進めた。
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