| 研究課題/領域番号 |
16H03640
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| 研究機関 | 青山学院大学 |
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研究代表者 |
亀坂 安紀子 青山学院大学, 経営学部, 教授 (70276666)
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| 研究分担者 |
筒井 義郎 甲南大学, 経済学部, 教授 (50163845)
大垣 昌夫 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (90566879)
新井 啓 明海大学, 経済学部, 教授 (30327001)
石野 卓也 金沢星稜大学, 経済学部, 准教授 (10614034)
田村 輝之 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 助教(PD) (80635037)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 金融論 / 金融 / ファイナンス / 経済学 / 経済政策 |
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| 研究実績の概要 |
近年、株式市場や為替市場など、金融資本市場の不確実性は増大し、世界経済に対する不安も増大している。2013年にノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授は、投資家心理が市場に与える影響が大きいことを様々な研究で示してきたが、当該年度は、ロバート・シラー教授と共同で日本において個人投資家を対象としたアンケート調査を開始することができた。同時に当該年度中にも様々な形で調査研究の成果を公表することができた。
より具体的には、１）個人投資家を対象とした調査で使用されている調査票はシラー教授により設計されたものであり、日米比較可能な形となっている。何よりもまず、シラー教授とともにこの調査を開始することができたことの意味は大きいと思われる。２）当初の計画では、研究資金上の制約から、年に２回、半年毎の調査実施を前提としていたが、調査会社との費用面での交渉により月次で実施することができた。このため、より詳細に投資家の予測のありかたや変化を捉えることができた。３）日本における投資家調査を月次化できたことにより、研究上の実績も当初予想されていた以上の件数、内容となった。専門雑誌への論文の掲載や、学会等での招待講演だけでなく、ドイツ日本研究所と共同での国際セミナーの開催や研究成果の報告、海外の大学での研究報告、スウェーデン大使館での講演、東京証券取引所から生放送番組での調査結果の紹介など様々なかたちで成果を広く公表・発信できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画の段階では、研究資金の規模から、個人投資家調査の実施は年２回（半年毎）が限界であると考えてきた。しかし、多数の調査会社と交渉を重ねた結果、質問数を絞ることにより調査各回に必要とされる経費を抑えて月次で個人投資家調査を実施（開始）することができた。このため、半年毎の調査では捉えることができないマーケット予測の変化などもタイムリーに捉えることができ、実際にマーケットにかかわっている機関投資家などからも調査結果に興味を持たれた。まずは、シラー教授とともに日本において個人投資家を対象とした調査を開始することができたことの意味は大きいと思われる。同時にまた、日本における投資家調査を月次化できたことにより、研究上の実績も当該年度から当初予想されていた以上にあげることができた。『月刊 資本市場』という機関投資家の多くが購読する専門雑誌に調査結果を紹介した論文が掲載され、学会、海外の大学等でも研究結果を報告した。ドイツ日本研究所とも共同で国際セミナーを開催し、これまでに得られた調査結果などを紹介した。また、東京のスウェーデン大使館でも、スウェーデン国立銀行総裁や日本の国会議員などが出席した夕食会で、研究結果や政策含意を報告した。研究初年度から、様々なかたちでこれまでに得られた成果を広く公表・発信している。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究資金の獲得によって、シラー教授と共同で実施する日米比較可能な投資家調査を月次化することが可能となり、投資家の市場予測のありかたが以前よりも詳細に捉えられるようになった。このため、今後も引き続き、月次で可能な限り（資金制約の範囲内で）調査を続け、分析可能なデータを十分に蓄積したい。本年度中は特に、ヨーロッパ圏での選挙など政治的なイベントが続くことが予想され、株式市場を含む金融市場の大きな変動も予想される。過去に実施されてきた半年毎の調査では捉えることができなかったイベント時のマーケット予測の変化なども、今後も踏み込んだ形でタイムリーに捉えたい。
同時にまた、収集したデータの分析も進めて、様々なマーケットイベントが投資家の期待に与える影響や、政策などの与える影響を分析したい。機関投資家からのヒアリングなども続けて、研究者だけでなく、市場関係者や政策に携わっている方々への情報提供も続けたい。平成２８年度中にドイツ日本研究所と共同で開催したセミナーに関しては、その講演録を英文図書として出版することも計画している。シラー教授の所属する米国のイェール大学のみならず、海外の様々な研究機関とも共同研究などを引き続き検討したい。
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