研究課題/領域番号 |
16H03643
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 衛 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50346053)
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研究分担者 |
石川 亮太 立命館大学, 経営学部, 教授 (00363416)
木越 義則 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (00708919)
田口 宏二朗 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50362637)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 教授 (70260742)
梶谷 懐 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70340916)
富澤 芳亜 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (90284009)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 制度 / 近代中国 / 政府 / 商工業 / 国際比較 / 財政 / 団体 / 労働者募集 |
研究実績の概要 |
本年度も各メンバーの研究を基礎としつつ、(1)研究会の開催と(2)史料の調査・収集・整理を進めるとともに、(3)研究成果の公開を行った。 (1)研究会の開催としては、引き続き、共同研究グループ「転換期中国における社会経済制度」の研究会とリンクする形で進めてきた。研究会は京都大学人文科学研究所において16回開催し、分担者・連携研究者はともに頻繁に参加し、あわせて科研の打ち合わせを行った。また、12月15日には京都大学人文科学研究所において研究会を開催し、連携研究者である神田さやこの著作『塩とインド─市場・商人・イギリス東インド会社』名古屋大学出版会、2017年の書評会を行うことで、インドを参照しつつ中国の制度を位置づけることを可能にした。 (2)資料収集も各分担者がそれぞれ積極的に行ってきた。研究代表者である村上は8月にロンドンの国立公文書館においてイギリス外交文書をはじめとする資料収集を行い、実証研究に生かすことができた。 (3)研究成果の公開としては5月の社会経済史学会大会において「近代中国の経済「制度」のモデル──労働・土地・組織」と題するパネルを組み、多くの参加者を得て研究の進展を広く公開するとともに、議論を深めることができた。このパネルをもとに、世界経済史会議のパネル“Small Divergence”: The Role of Social and Economic Institutions in 19th and 20th Centuries Chinese and Japanese Economic Development”を申請し、採択された。このほか、石川がハイデルベルク大学で、田口がイギリスのオックスフォード大学で、梶谷がロシアのサンクトペテルブルクで研究報告を行うなど、個人ベースでの発信も国内外で活発に行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にあった研究会は予定通り開催し、研究会においてはインドとの比較を行うことによってより広い文脈の中で中国の制度を議論することが可能になった。各メンバーもそれぞれ研究を順調に進めるとともに、国内外でその研究成果を公開している。世界経済史会議のパネル“Small Divergence”: The Role of Social and Economic Institutions in 19th and 20th Centuries Chinese and Japanese Economic Development”も採択され、国際的な発信についても目処がついた。
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今後の研究の推進方策 |
研究会をベースにしつつも、研究グループ全体としての幅広い発信を試みる。特に対外的には2018年7~8月にアメリカ・ボストンのMITにて開催される世界経済史会議において“Reconsidering the “Small Divergence”: The Role of Social and Economic Institutions in 19th and 20th Centuries Chinese and Japanese Economic Development”と題するパネルを組み、研究成果を広く海外の研究者に対して発信する予定である。そのために、5月にパネルの報告者を韓国からも招聘して準備のための研究会を開催し、相互の報告に対する理解を深めるとともに、パネルの効果的な発信方法について議論する予定である。また、研究の成果論文集についても刊行の準備を進めていく予定である。
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