研究課題/領域番号 |
16H03652
|
研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
玉井 健一 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (80271740)
|
研究分担者 |
加藤 敬太 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (10581861)
乙政 佐吉 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20379514)
猪口 純路 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (40405486)
北川 泰治郎 小樽商科大学, グローカル戦略推進センター, 准教授 (60643377)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 医療経営 / 地域活性化 |
研究実績の概要 |
本研究は、北海道の医療機関を対象として、医療機関のトップ・マネジメントの意思決定(行動)に注目しながら、①医師をどのようにマネジメントしているのか、②医療機器メーカーや医薬品メーカーのような営利企業とどのようなネットワークを形成しているのか、について実態を把握するとともに、③北海道の医療機関におけるマネジメントがどのようにして成果に結びつくのかを実証的に明らかにすることを目的としている。 本研究の目的を達成するために、平成28年度から平成30年度までの3ヶ年にわたって、戦略論、組織論、マーケティング論、管理会計論を専門分野とする研究者から構成される学際的チームによって、先行研究のレビュー、事例研究、定量的研究、およびアクション・リサーチを実施する。 第2年度の本年度においては、先行研究のレビューや聞き取り調査を継続しながら、理論的枠組みおよび仮説命題を精緻化していくことを研究活動の中心とした。聞き取り調査に関しては、医療経営人材育成事業を通じて渓仁会との交流を行うとともに、渓仁会における医療経営について学際的チームの各々の専門分野から分析を進めた。また、道内の医療機関を対象としていないものの、道内の地域企業に対する事例研究から、地域活性化の取組を示しながら、地域活性化に有用な企業家活動を明らかにしている。 さらに、仮説命題を精緻化していく過程において、北海道の歯科診療所での、サービス価値を高める戦略行動および院長の管理行動を明らかにするために、2017年4月から7月を調査機関として、道内の歯科医院の院長に質問票を送付した。結果として、541の歯科医院から回答を得ている。 ただし、事例研究の結果については一部学会報告を行っているものの、現時点では論文として公表していない。調査先からの許可を得た時点で公表する。質問票調査の結果については、分析終了後に公表する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、北海道の医療機関を対象として、医療機関のトップ・マネジメントの意思決定(行動)に注目しながら、①医師をどのようにマネジメントしているのか、②医療機器メーカーや医薬品メーカーのような営利企業とどのようなネットワークを形成しているのか、について実態を把握するとともに、③北海道の医療機関におけるマネジメントがどのようにして成果に結びつくのかを実証的に明らかにすることを目的としている。 本研究の目的を達成するために、戦略論を専門分野とする玉井健一を研究代表者として学際的なチームを形成するとともに、チームメンバー各々の専門分野に応じて役割を分担している。また、平成28年度から平成30年度までの3ヶ年にわたって、先行研究のレビューはもちろん、事例研究、定量的研究、およびアクション・リサーチを実施しながら、方法論的トライアンギュレーションを通じて研究目的の達成を図っている。 第2年度の本年度においては、先行研究のレビューや聞き取り調査を継続しながら、理論的枠組みおよび仮説命題を精緻化していくことを研究活動の中心とした。聞きとり調査に関しては、渓仁会を対象として、学際的チームのそれぞれの専門分野から分析を進めている。また、各種シンポジウムへの参加を通じて、調査対象を拡大させている。加えて、医療機関ではないものの、道内企業を対象として、地域活性化を企業家活動の観点から分析した。さらに、仮説命題を精緻化するためのパイロット調査として、北海道の歯科診療所を調査対象として、郵送質問票調査を実施している。 本年度は、聞き取り調査および質問票調査を通じて、北海道の医療機関におけるマネジメントについて分析を進めた。道内企業を対象とした事例研究の一部を除いて、論文執筆あるいは学会報告を行っていないものの、最終的な成果の報告に向けて準備は整っているため、計画通りに進捗していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では、平成28年度から平成30年度までの3ヶ年にわたって、先行研究のレビューはもちろん、事例研究、定量的研究、およびアクションリサーチを実施しながら、方法論的トライアンギュレーションを通じて研究目的の達成を図る。北海道における経営学系の拠点大学として歴史を有する小樽商科大学に所属する学際的なチームが、同大学の知的資源を活用しながら研究を進めることから、3年間で一定の実績を蓄積できる。 最終年度の本年度においては、理論的枠組みおよび仮説命題を検証していくことが研究活動の中心となる。前年度の聞き取り調査から得られた定性的なデータは、データとの対話を介して鍵概念の定義や理論的枠組みの精度高めていくために利用される。道内の歯科診療所を対象とした質問票調査から得られた定量的データについては、仮説命題の内的妥当性を確保するために利用する。 必要に応じて理論的枠組みおよび仮説命題を見直した後、道内の総合病院を対象とした質問票調査を通じて、外的妥当性の検証を行う。実証結果に関しては、理論的・学術的な意味づけを確認した上で、回答医療機関にフィードバックする。また、実証結果の妥当性を検証するために、道内の医療機関に対してアクションリサーチを実施する。 実証結果の内的妥当性および外的妥当性が確保された段階で、最終的な研究成果を国内外の学会にて報告する。また、研究に対する意見やコメントを反映させた上で、研究成果を論文として国内外の査読付き雑誌に投稿する。加えて、3年間の研究の集大成として、シンポジウムを開催することを予定している。シンポジウムでは、学内の戦略推進センターと連携しながら、行政・研究機関も含めた北海道の医療関係者を招聘した上で、パネルディスカッションを行う。さらに、3年間の研究成果をとりまとめた報告書を国内の研究機関および医療関係者に配布する。
|