研究課題/領域番号 |
16H03659
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
花枝 英樹 中央大学, その他部局等, 客員研究員 (50103693)
|
研究分担者 |
鈴木 健嗣 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (00408692)
佐々木 隆文 中央大学, 総合政策学部, 教授 (10453078)
佐々木 寿記 東洋大学, 経営学部, 講師 (10609738)
胥 鵬 法政大学, 経済学部, 教授 (60247111)
芹田 敏夫 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80226688)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 企業財務 / サーベイ調査 / ペイアウト政策 / 企業文化 |
研究実績の概要 |
本研究課題の成果の一つとして、2018年12月に鈴木健嗣・芹田敏夫・花枝英樹「企業のペイアウト政策:再サーベイ調査による分析」が日本経営財務研究学会『経営財務研究』に掲載・刊行された。本稿では2006年と2017年に行ったペイアウトに関するサーベイ調査をもとに、日本企業のペイアウト政策に対する認識の変化の有無を検証した。主な検証結果としては、(1)配当に対する認識は概ね変わっていないが、自社株買いの意思決定については大きく変化した、(2)自社株買いを通じたROEの改善についての意識は高い、(3)機関投資家・外国人投資家を惹きつけるためにペイアウトを用いる意識は高い、(4)ペイアウトの手段間での代替性は強く認識されていない、等のことがわかった。 また、2018年8月に「企業文化に関する企業の意識調査」という題目で、全上場企業を対象に質問票郵送によるサーベイ調査を行った。質問票では、回答企業の企業文化の中身、企業文化の重要性、企業文化形成に影響を及ぼした主体、企業文化の有効性に影響を及ぼしている要因、逆に企業文化によって影響を及ぼされている項目等について質問を行った。回答企業数は385社で、回収データをもとに、集計結果の単純集計、クロス分析、回答企業の財務データを取り組んだ分析を進行中である。まだ分析の途中段階であるが、同じような質問内容で行われた米国におけるサーベイ調査結果と比較すると、(1)企業における企業文化の重要性は日米とも高く違いはない、(2)企業文化が及ぼす影響についても日米で違いがない、(3)しかし、企業文化の形成過程や企業文化の行動規範が異なり、その理由は日本型雇用制度が影響を及ぼしている可能性があるなどの所見を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の共同研究の一つが、論文(鈴木健嗣・芹田敏夫・花枝英樹「企業のペイアウト政策:再サーベイ調査による分析」)として日本経営財務研究学会『経営財務研究』に掲載された。また、「企業文化に関する企業の意識調査」を2018年8月に実施し、回収データをもとにワーキングペーパーを作成中であり、おおむね計画どおり進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年8月に行った「企業文化に関する企業の意識調査」の回収データをもとにした分析結果をワーキングペーパーの形で纏めることを計画している。また、今年度が本研究課題の最終年度になるので、われわれ研究グループが科研費で過去に10回に渡って行った企業財務に関するサーベイ調査にもとづく調査結果を一冊の本の形に纏めることを計画している。そのために、研究グループ全員が参加する研究会を2ヶ月に1回のペースで行う予定である。
|