研究課題/領域番号 |
16H03664
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
三藤 利雄 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (00249286)
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研究分担者 |
横田 明紀 立命館大学, 経営学部, 教授 (30442015)
税所 哲郎 国士舘大学, 経営学部, 教授 (80386870)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イノベーション / イノベーションのシステム / スマートコミュニティ / 再生可能エネルギー / 太陽光発電 / 破壊的イノベーション |
研究実績の概要 |
電力及び情報通信に関わる産業におけるイノベーションのシステムの形成過程について、企業及び企業家の活動、知識の創出、制度の変更や導入に着目して研究を行った。 電力に関わる産業においては、再生可能エネルギーを活用した発電技術のうち、特に太陽光発電技術に焦点を当てて研究を行った。即ち、太陽光発電に関わる技術の開発や企業の活動、ならびに国の干与に焦点を当てて、破壊的イノベーションの出現などイノベーションのダイナミックな挙動を考慮しつつ、イノベーションに関わる我が国のシステムについて検証している。この成果は、研究・イノベーション学会の年次大会で発表するとともに、学術論文「イノベーションに関わる日本のシステムを検証する:太陽光発電技術を事例として」としてまとめており、追って出版される予定である。 情報通信に関わっては、ベトナム等東南アジアのスマートコミュニティの形成過程について現地調査を行っている。その成果は、国際会議や国内学会等で発表している。それに基づいて、論文"A Study of the Smart Community Strategy in Vietnam -Current Status and Problems of Regional and Urban Development in Binh Duong Province-"などにまとめている。 我が国では科学技術政策研究所がイノベーション・サーベイをこれまで4回実施しており、データを含めて、これを報告書にまとめている。 本研究では、このイノベーション・サーベイ結果を活用して、電力や情報通信に関わる産業のイノベーション活動を分析することとしている。現在、データを収集のうえ、統計ソフトを用いて予備的な解析を行ったところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電力及び情報通信に関わるイノベーションのシステムの形成過程について研究を行っているところであり、概ね研究は順調に進展していると考えている。 電力に関わる産業については、ケニアやタイなど発展途上国における再生可能エネルギーを活用した発電技術の現状について調査を行っている。その際は、風力発電施設や太陽光発電施設など現地のサイトを見学するとともに、政府関係機関や大学等の研究機関、電力企業等を訪問した。ドイツは再生可能エネルギーを活用した発電施設の普及が進んでいる。そこで、ドイツにおける再生可能エネルギーの活用、とりわけ発電の状況について比較研究を行っている。 情報通信に関わっては、特に東南アジアを中心にスマートコミュニティの調査を進めている。専門分野の書籍や文献を収集するとともに、政府関係機関が発行するレポート等を参照しているところである。これまでの各地への訪問実績を踏まえたうえで、各内外の学会やコンファレンスなどで研究報告等を実施することとしている。 我が国では科学技術政策研究所がイノベーション・サーベイをこれまで4回実施している。 本研究ではこのイノベーション・サーベイ結果を活用して、電力や情報通信に関わる産業のイノベーション活動を検証する計画であり、統計解析ソフトを用いて詳細な解析を行うこととしている。
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今後の研究の推進方策 |
電力及び情報通信に関わるイノベーションのシステムの形成過程について研究を行っているところであり、今後は国内外の関連施設の現地調査や専門家へのインタビュー、データの数値分析、書誌情報の分析等を進めていきたいと考えている。 電力に関わる産業については、今年度は中国並びにドイツ等のEU諸国おける再生可能エネルギーを活用した発電技術の現状について重点的に調査を行う予定である。その際は、風力発電施設や太陽光発電施設など現地のサイトを見学するとともに、政府関係機関や大学等の研究機関、関連企業を訪問したいと考えている。また、再生可能エネルギーの利用は、無電化地域が依然として存在している発展途上国において、特に有効であると考えられる。予算等に余裕があれば、発展途上国における再生可能エネルギーの活用状況についての調査を行いたいと考えている。 情報通信に関わっては、今後とも東南アジアを中心にスマートコミュニティの調査を進めるとともに、我が国との比較研究を行う予定である。その際は、現地のサイトを訪問するとともに、専門家との議論などを予定している。 イノベーション・サーベイ結果を活用した調査については、データの収集などを今後とも進めるとともに、イノベーションに関わるシステムの形成という点で、具体的にどのような分析が可能か、あるいはどのような追加資料の収集が必要かなどの点について検討を進めていきたいと考えている。 なお、今年度も国内外の学会やコンファレンスにおいて発表するとともに、専門家や研究者との議論を通じて、分析を深めていきたいと考えている。
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