研究課題
本研究は都市中心部の老朽化した商業施設として、1950年代中盤から1970年代初頭に建設された防火建築帯、防災街区等に焦点を合わせ、①開発・利用の経緯、②改修・再開発の方向と課題、③求められる制度・政策を明らかにすることを目的としている。3年計画の3年目(最終年)にあたるH30年度は、以下の3点を主要な研究課題とした。(1)代表事例・先端事例を対象にした個別事例調査:上記①~③を明らかにするために、横須賀市、佐久市、飯田市、岡山市、福山市、坂出市において実態調査を行った。これらのうち横須賀(横須賀中央駅前の三笠ビル)、岡山(中心商店街の上之町)、坂出(中心商店街の人工土地)は先端事例といえ、そこでの経験が他地域へのた展開に参照されたことが確認できた。また、佐久市中心商店街の岩村田においては、沼津と並ぶような大規模再開発の計画が進行中であることが注目される一方、福山においては再開発によって当初の防火建築が現存しないことが明らかとなった。(2)研究会の実施と研究成果の公表:共同研究者全体で集まり、建築・都市計画系の専門家を講師として招く研究会を東京で開催するとともに、2019年3月には坂出において最終研究会を開催し、本研究の到達点と今後の課題を討議し確認した。また、各研究者が所属する学会等で研究成果を報告し内容のブラッシュアップを図り、成果について論文等で公表した。(3)今後の方向:本研究の当初は定量的調査の可能性を検討していたが、対象がすでに取り壊されている、あるいは管理者が不明確で特定が困難、開発経緯を把握している関係者が存命していないなどの物件が多数あることがわかった。そのため、現在利用されている物件について、できるだけ全数調査を行った。これにより今後の再開発計画等も把握できたため、この間形成した研究者、実務家とのネットワークに基づき継続的に調査研究を進める。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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