| 研究課題/領域番号 |
16H03689
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
轟 亮 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20281769)
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| 研究分担者 |
岡田 努 金沢大学, 人間科学系, 教授 (10233339)
小林 大祐 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40374871)
歸山 亜紀 群馬県立女子大学, 文学部, 講師 (50767358)
俵 希實 北陸学院大学, 人間総合学部(社会学科), 教授(移行) (60506921)
杉野 勇 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80291996)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 若年層 / 社会調査 / 国際比較 / アメリカ社会 / 価値観 / 社会意識 |
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| 研究実績の概要 |
平成29年度の研究実績として、第１に、本研究課題のなかでも非常にユニークな、アメリカ合衆国全土の若年層（18～39歳）男女約3,000人を対象とするインターネット価値観調査を実施した。登録モニター（調査パネル）を使用し、計画サンプルサイズをACS調査による母集団情報（性別、年齢3層、地域9層の54セル）の比率で割付けて回収を行った。調査票は前年度調査の結果をふまえながら、心理尺度と社会意識項目、属性項目の検討を学際的に行って決定した。主な意識項目としては、階層帰属意識、生活満足度・幸福感、政治的態度等の基礎的項目以外に、友人関係に関する態度、移民への意識、リバタリアン、道徳的判断の基準、社会制度への信頼などを設定した。属性は基礎的な階層項目のほかに、居住地都市規模などを設定した。これによって日本との比較が可能な、貴重なデータを得ることができた。第2に、アメリカ全国調査とほぼ同一の調査票（日本語版）によって、同一の設計の日本全国調査（サイズ500）第１次を2月に実施した。第２次は2018年4月にサイズ1,000で実施する予定で、これによってアメリカ全国調査と比較可能な、サイズ1,500の日本データを得ることとなる（日本の若年層集団の意識の、二ヶ月の変化も検証可能となる）。また、第１次の回答者に対しては、第２次と同時期にパネル第２波調査を実施し、個人ベースの変化と安定性に関するデータが得られる。今年度の実績として、アメリカでも、三州調査（平成28年度実績）のパネル第２波調査を行っており（934人中、有効回答276人を回収）、パネル調査に関しても日米比較可能なデータセットを得る準備ができた。
以上のデータを用いて、研究成果を学会報告、論文等の形で発表した。日米間で価値観の分布や影響の異同を確認しており、今後、そのパターンの理論化をはかる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金沢大学の学内プロジェクト（先魁プロジェクト（FR））の支援も受けて、本研究課題の第１年度および第２年度に計画していた社会調査（登録モニターを用いたインターネット調査）実施については、まず、2016年度にアメリカ三州調査とそのパネル調査、そして ベンチマークとなる二つの日本国内成人男女の調査を実施できている。また、それらの知見を踏まえて、2017年度には本研究課題の最重要の調査の一つであるアメリカ若年層全国調査（サンプルサイズ約3,000）を、綿密な項目検討と英語ワーディングの検討の上で実施できている。また、これと同じ質問と同じ形式の日本調査（2018年2月調査、サンプルサイズ500）を実施し、2018年度に実施予定の4月調査と合わせて1,500サイズの比較データを得るための準備を着実に整え、またパネル調査の設計も組み込むことができている。アメリカ滞在経験の長い計量社会学者の協力を得て、アメリカ社会の状況を的確に踏まえた比較調査データを収集できており、また異分野融合的な成果を発表できている。日米両調査で回答時間データを得る設計とすることで、社会調査法研究においても意義のある、データの質評価のための基礎情報を得ている。最終年度の新規項目による日本全国調査に向け、当初の研究計画に従って、調査実施によるデータの収集が順調に進捗している。
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| 今後の研究の推進方策 |
過去２年度金沢大学の学内プロジェクトの共同研究者であり、本研究課題でのアメリカ調査実施において多大な貢献をした若手計量社会学者を、最終年度に、研究分担者として研究組織に加え、本研究課題の研究成果の国際発信を強化する。同氏をコーディネーターとして、アメリカの研究者や研究機関との連携を図ることができる。また、上記学内プロジェクトの遂行を通して、学内の他学問分野の研究者からセミナーや研究会等でアドバイスを受けるための体制が確立できている。
また、学外の、SSP研究会（社会階層と社会意識研究会）や社会調査法を専門とする研究者、日本の代表的な若者研究者との協力関係が形成できており、必要に応じて、調査結果を多角的な観点から分析するための支援を受けることができる。万一、調査実施について困難が生じる場合には、一般社団法人社会調査協会のアドバイスを受けることができる。
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