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2017 年度 実績報告書

現代アジア家族の共通性と多様性に関する調査研究とデータベース作成

研究課題

研究課題/領域番号 16H03690
研究機関京都大学

研究代表者

落合 恵美子  京都大学, 文学研究科, 教授 (90194571)

研究分担者 岩井 八郎  京都大学, 教育学研究科, 教授 (80184852)
安里 和晃  京都大学, 文学研究科, 特定准教授 (00465957)
伊達 平和  滋賀大学, データサイエンス学部, 講師 (70772812)
押川 文子  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (30280605) [辞退]
村上 薫  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター ジェンダー・社会開発研究グループ, 研究グループ長代理 (00466062)
大和 礼子  関西大学, 社会学部, 教授 (50240049)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード家族 / トルコ / ベトナム / イスラム圏 / アジア / 世代間関係 / ジェンダー / 意識
研究実績の概要

(1) ベトナム南部における質問紙調査の実施:ベトナムのカントーにおいて質問紙調査を実施した。実査については、ベトナム社会科学院家族ジェンダー研究所のNguyen Huu Minh教授が実査の統括を担当した。5月から6月までに質問項目を確定し、プレテストを実施して、実査の準備をした。既に実施した調査との比較可能性を考慮して質問項目を追加した。実査は8-9月に実施した。1205票を回収。並行して30件のインデプスインタビューを実施した。その後、データ入力およびクリーニングと基礎的分析を行なった。
(2) CAFSデータを用いたアジア家族の比較分析:トルコデータを用いた基礎的分析を行った。分析結果に基づいた出版計画が進行しているタイ、ベトナム、マレーシアについては、提出した原稿に対する査読コメントを受けて修正を行い、3月までに再入稿した。これと並行して、上記3カ国にインド、トルコ、ベトナム南部を加えた記述的な比較分析の成果出版に向けて執筆作業を進めた。
(3) 全体会議開催:成果検討のための全体会議を9月に京都にて開催した。Patcharawalai Wongboonsin教授が自大学の資金で来日し、東南アジア3か国の成果出版への査読コメントを受けた修正方針について重点的に話し合った。
(4)成果発表:9月に京都大学にて開催された日本家族社会学会の公開大会シンポジウム「日本とアジアの家族:社会調査で捉える現状と変容」(日本学術会議が共催)にて、岩井八郎が本プロジェクトのこれまでの成果を発表した。また、2018年度に開催される世界社会学会議における国際セッションを提案し採択された。(2)の成果出版を2018年度に実現すべく作業を進めた。データベース公開に先駆けて、各国のプロジェクト参加者がデータベースを内部共有するための申し合わせを作成して、共有と共同分析を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

・トルコデータの基礎的分析は、伊達の指導のもと、OAも能率的に作業して、予定よりも速いペースで進行している。
・ベトナム南部での実査も順調に実施でき、ベトナムの研究者のご尽力によりクリーニングと基礎集計も予定より早めに完了した。
・そのため、当初は東南アジア3ヵ国とインドの4ヵ国の基本的分析を1冊の書籍として刊行する予定であったが、トルコとベトナム南部も加えることができるようになった。アジア家族の共通性と多様性の調査研究という本プロジェクトの目的により合致した成果となるので喜んでいる。

今後の研究の推進方策

(1)ベトナム南部とトルコを含めたCAFSデータを用いてアジア家族の比較分析を行う:今後、トルコ調査、ベトナム南部調査の2つのデータベースを用いた分析を行うことと、これらを含めたアジア諸地域の比較分析を行うことが今後の研究中心的作業となる。
(2)国際会議での成果発表:2018年7月にカナダのトロントで開催される世界社会学会において、本調査の成果を発表するセッションを開催する。落合、岩井、伊達、および海外研究協力者である Ismet Koc、Eun Ki-Soo、Nguyen Huu Minhなどが参加し、成果発表と研究打合せを行う。
(3)成果出版:ブリル社から2冊の英文書籍を本プロジェクトの成果として刊行予定である。1冊目は、Patcharawalai Wongboonsin教授らの編による、東南アジア3か国のケアシステムの比較分析の成果である。2冊目はCAFS全地域のデータを総覧的に比較するもので、Eun Ki-Soo、伊達らによる著作として刊行する。
(4)データベース公開の準備:伊達を中心にデータベースの公開に向けた準備を始めてきた。現在は研究グループ内での共有を可能にしたところである。今年度は公開に向けて権利関係などの整理を行う。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] アジアの家族変動と家族意識:東アジア社会調査(EASS)とアジア比較家族調査(CAFS)からみた多様性と共通性2018

    • 著者名/発表者名
      岩井八郎
    • 雑誌名

      家族社会学研究

      巻: 30巻1号 ページ: 135-152

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 名誉解釈の多様化と暴力:イスタンブルの移住者社会の日常生活をめぐって2017

    • 著者名/発表者名
      村上薫
    • 雑誌名

      文化人類学

      巻: 82巻3号 ページ: 328-345

    • 査読あり
  • [雑誌論文] “Welfare regime and labour migration policy for elderly care: new phase of social development in Taiwan”2017

    • 著者名/発表者名
      ASATO, Wako
    • 雑誌名

      Asia Pacific Journal of Social Work and Development

      巻: Vol. 27 ページ: 211-223

    • DOI

      https://doi.org/10.1080/02185385.2017.1408489

    • 査読あり
  • [学会発表] アジアの家族変動と家族意識:東アジア社会調査(EASS)とアジア比較家族調査(CAFS)からみた多様性と共通性2017

    • 著者名/発表者名
      岩井八郎
    • 学会等名
      日本家族社会学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 企画セッション「イスラーム・ジェンダー学の未来:セクシュアリティにみる国家・宗教・ジェンダー」へのコメント2017

    • 著者名/発表者名
      村上薫
    • 学会等名
      日本中東学会
  • [学会発表] 文化越境の帰結としての日本家族2017

    • 著者名/発表者名
      落合恵美子
    • 学会等名
      京都大学文学研究科・文学部公開シンポジウム「文化越境のダイナミズム」
  • [図書] 不妊治療の時代の中東:家族をつくる、家族を生きる2018

    • 著者名/発表者名
      村上薫(編)
    • 総ページ数
      245
    • 出版者
      日本貿易振興機構アジア経済研究所
    • ISBN
      9784258290499
  • [図書] アジアと生きる アジアで生きる2018

    • 著者名/発表者名
      村上薫(榎本泰子編)
    • 総ページ数
      284(147-161)
    • 出版者
      樹花舎
    • ISBN
      9784434240348
  • [図書] 『国際移動と親密圏:ケア・結婚・セックス』2018

    • 著者名/発表者名
      安里和晃編
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      京都大学出版会
    • ISBN
      9784814000722
  • [図書] 「アジア七地域における『出会いと結婚』の諸相」平井晶子・床谷文雄・山田昌弘編『出会いと結婚(家族研究の最前線2)』2017

    • 著者名/発表者名
      伊達平和
    • 総ページ数
      367(121-142)
    • 出版者
      日本経済新聞社
    • ISBN
      9784818824713
  • [図書] 『オトナ親子の同居・近居・援助―夫婦の個人化と性別分業の間』2017

    • 著者名/発表者名
      大和礼子
    • 総ページ数
      206
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      9784762027376
  • [図書] 「第九章 台湾における外国人労働者政策と高齢者介護政策―国境を越えるケアの制度的整合性」松岡悦子編『子どもを産む・家族をつくる人類学オールターナティブへの誘い』2017

    • 著者名/発表者名
      安里和晃
    • 総ページ数
      328(240-268)
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      9784585230441
  • [図書] 「介護に従事する多様な海外人材のチャネルと人材育成」宮崎里司/西郡仁朗/神村初美/野村愛編著『外国人看護・介護人材とサスティナビリティ』2017

    • 著者名/発表者名
      安里和晃
    • 総ページ数
      304(234-244)
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      9784874247556

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公開日: 2018-12-17  

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