研究課題/領域番号 |
16H03705
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
藤吉 圭二 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (70309532)
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研究分担者 |
岡田 順太 白鴎大学, 法学部, 教授 (20382690)
横大道 聡 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 准教授 (40452924)
磯村 和人 中央大学, その他の研究科, 教授 (60241733)
安倍 尚紀 大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 講師 (90401710)
阿部 哲 長崎大学, 多文化社会学部, 戦略職員 (90732660)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アーカイブズ / コミュニティアーカイブズ / 地域アーカイブズ / NPO・NGO / アイデンティティ |
研究実績の概要 |
当初の計画通り2017年度は研究チームのメンバーで手分けして各国のアーカイブズ状況の調査を実施した。(1)アメリカ合衆国のサンフランシスコGLBT歴史博物館(GLBT History Museum)およびその運営にあたっているGLBT歴史協会(GLBT Historical Society)を訪問し、持続的な運営を可能としている背景などについて聴取り調査を実施した。特に2018年度での実施を計画している日本でのフォーラムに関して博物館関係者とテーマ等を含めた詳細な打合せを実施した。また、フォーラムでとりあげるトピックを整理するために博物館主催のミーティング等にも参加し、ボランティアや一般参加者等からもそれぞれの博物館との関わりやこうした活動への期待などについて聴取り調査を実施することができた。当博物館が連携をとったり、あるいは運営や展示方法などで参考にしたりしているサンフランシスコ市内の博物館施設も見学し、可能な場合にもそれらの施設でも聴取り調査を実施した。これら施設のうちサンフランシスコ市立図書館はハーヴェイ・ミルクや1980年代のHIV/AIDSパンデミックの時代の医療、患者、市民運動関連の資料を多く保管しており、GLBT歴史博物館とも連携してオンライン資料の提供を実施しており、この点で官民協力のひとつのモデルとも考えられることがわかった。このようなサンフランシスコ現地での調査と並行して、研究チームメンバーのそれぞれがマレーシア、オーストラリア、フランス等に出向いて各国の研究者や実務家と情報・意見交換を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いずれの調査地においても現地協力者との連携を深めており、今後の具体的な成果を期待できる状態になったと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
サンフランシスコGLBT歴史博物館の取組みは、「自分たちの歴史を自分たちで残し、伝えていく」というコミュニティアーカイブズのひとつのモデルとして位置づけることができる。こうした民間レベルの取組みについて、GLBT歴史博物館の活動を参照軸として、他の地域のアーカイブズ施設の取組みを整理すること、また、こうした民間レベルでの取組みと国家を含む公的施設による取組みの関係のあり方に留意しつつ、2019年度(研究機関最終年度)には個別事例を総合するような観点からの成果のとりまとめができるようチーム内での連絡を密にしつつ個別の調査研究活動を推進する。
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