研究課題/領域番号 |
16H03708
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
佐藤 寛 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター, 上席主任調査研究員 (50403613)
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研究分担者 |
佐野 麻由子 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (00585416)
坂本 真理子 愛知医科大学, 看護学部, 教授 (70285237)
辰己 佳寿子 福岡大学, 経済学部, 教授 (80379924)
浜本 篤史 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80457928)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高度成長 / 生活改善 / 電源開発 / 炭鉱閉山 / 公衆衛生 |
研究実績の概要 |
第二年度にあたる2017年度は、炭鉱、ダム、公衆衛生、生活改善の各班ごとにそれぞれの調査活動を実施するとともに、何度か共同研究会を実施して進捗状況の相互確認を行った。炭鉱班(佐野、研究協力者滝村)は、福岡県田川市の事例を中心に置き田川市の市民を対象とする意識調査を実施すると同時に、1950年代の国策による閉山政策に伴ってどのような社会変化が契機してきたのかを追跡している。 ダム班(浜本)は、九頭竜ダムを中心に置いた聞き取り作業を継続している。他方、ダム担当の浜本は「アジアの開発社会学プロファイル」作成作業も並行しており、中国、韓国、インドにおける開発社会学の状況の調査を進めている。 公衆衛生班(坂本)は、主として北海道における開拓保健婦の事例を中心に研究を継続すると同時に、坂本の先輩保健師の活動回顧録作成に携わった。 生活改善班(辰己、佐藤)は二つの方向で研究を進めた。辰己は具体例の聞き取り調査から、より抽象度の高い理論的枠組みの構築に力点を移し、農村女性を中心とする主体形成のプロセス、農村女性を取り巻く社会・産業環境の変化と生活改善運動との相互作用などについて考察を進めている。同時に長期的なインパクトとして「若者の農村からの流出・農村の過疎化」という現状をどのようにとらえるべきかという課題にも取り組んでいる。佐藤は農村生活改善事業が、同時代的に生起していた炭鉱の閉山、ダム開発、公衆衛生の改善とどのような往還があったのかについての年表的な整理に着手している。 最終年度にあたる2018年度は、これら各班の成果の相互連関をマッピングする作業に取りまとめていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各班の担当者がそれぞれの問題意識を明確に持って作業すると同時に、年に数回の共同研究で進行状況を共有できている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に当たる2018年度は、各分担者がそれぞれのテーマをもとに、アジア農村社会学会(八月開催、インドネシア・スラウェシ)に参加、報告し海外の研究者に対する発信を試行する同時に、今後の潜在的な共同研究者の発掘にも着手し、「開発社会学」の次の段階への方向性を定めたい。
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