研究課題/領域番号 |
16H03713
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
森田 明美 東洋大学, 社会学部, 教授 (70182235)
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研究分担者 |
中原 美惠 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (30337703)
小川 晶 植草学園大学, 発達教育学部, 准教授 (40633186)
野城 尚代 愛国学園大学, 人間文化学部, 准教授 (50247095)
上田 美香 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60366507)
唐田 順子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (60440012)
相馬 直子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (70452050)
杉田 記代子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (80171156)
朴 志允 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (80625278)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 10代親 / 妊娠・出産 / 子育て / インタビュー調査 / グループ調査 / ライフイベント / 日韓比較 |
研究実績の概要 |
本研究は、1次2次科研で明らかにした10 代親の実態をふまえ、子どもの成長に伴い、学齢期、第2子出産時 の夫や家族との関係調整、学業やキャリア形成が中断している10 代親であるがゆえに起きる.就学・就業に関する諸問題やその乗り越え方、必要とされる自立支援を、継続的相談に応じながら行う質的縦断調査を実施し、それを踏まえて実施する日韓100 人が参加する量的調査と、支援のモデル事業の実施から提示するものであり、2016年度は以下のことを実施した。1.日本で行われている10代、若年の親の妊娠出産子育てについて、社会学、母子保健、社会福祉など関連領域で実施されている研究や実践のヒアリングや意見交換を実施した。2.日本においては千葉県八千代市、埼玉県飯能市・和光市、東京都下等の自治体、韓国においてはソウル市・プサン市の自治体の協力を求め、10代で出産した母親の妊娠・出産・子育ての 自立支援調査として、家族関係修復支援について、調査者が携帯電話・SNSも用いて個別相談支援型インタビ ューを実施した。3.日韓の10台で第1子を出産した女性の学齢期の子育て支援についてグ ループ活動支援型インタビューを日韓で実施し、子どもが学齢期までの子育て実態とライフイベントの乗り越え方を明らかにした。4.日韓の10代親の暮らしと支援の課題を量的に把握するアンケート調査のための日韓 研究会の組織化を行った。韓国については、韓国の取り組みは大統領の交代による変化が激しいため、調査組織の確立を行い、2017年度に政策研究については繰り越した。日本では当事者団体が解散したため、新たな協力者を求めて活動をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.母子保健、社会学、婦人保護施設、母子生活支援施設での10代親支援を行っている研究者と実践者との共同研究会と公開シンポジウム(10月2日)を開催し、課題と支援の方向性について共有した。特に中絶を当然視してきた10代の妊娠に対して、出産割合が増えていること、それを前提とした相談支援のありようが求められていること、当事者たちが周辺の自分たちへの評価の低さを意識し、それが肯定感や孤立度を高めていることを共有した。 2.日本ではプロフを利用した10 代親当事者グループに対して相談に随時乗りながら、東洋大学内研究所で開催していているオフ会を1次2次科研より引き続き実施し、保育士がグループ活動や 子どもの遊びを支援しながらインタビュー調査、行動観察および支援の試行および意見交換を実施した(2回実施)。韓国で は共同研究を実施してきた救世軍未婚母の家で暮らした10代親や、当事者団体に協力を求めて、グループ討議を実施した(2回実施)。子どもの就学によって、母親の知識や社会的対応力が問われることの体験は日韓共有しており、対応支援が求められる。 3.10代親の地域生活支援システム・プログラムの開発として、①八千代市・飯能市で10代親グループ活動を実施、②自治体支援システム・プログラムの検討会、③母子生活支援施設、婦人保護施設関係者と母子 一体型施設の地域支援に関する研究会の開催をした。
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今後の研究の推進方策 |
韓国の政情不安により、10代母親支援政策も凍 結状態となっているため、韓国で調査予定としていた政策担当者へのヒアリングは現時点での 協力は見合わせたいと連絡があった。よって調査時期については、2017年5月に改めて調整 をすることとし、研究協力者との議論は、平成 29年9月に行うことになった。
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