研究課題/領域番号 |
16H03731
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴山 直 東北大学, 教育学研究科, 教授 (70240752)
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研究分担者 |
佐藤 喜一 九州大学, 基礎教育院, 教授 (00300517)
野口 裕之 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 名誉教授 (60114815)
熊谷 龍一 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (60422622)
川端 一光 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (20506159)
佐藤 誠子 石巻専修大学, 人間学部, 助教 (20633655)
足立 幸子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30302285)
斉田 智里 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50400594)
藤本 亮 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80300474)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | IRT / 項目反応理論 / 垂直尺度化 / 学力 / 発達 / 到達度 / 習熟度 / 等化 |
研究実績の概要 |
平成28年度は1)研究体制の確立、2)先行研究に関する文献調査、3)研究遂行に必要なソフト等の準備、4)テスト設計・分冊設計、5)研究補助者等の雇用、6)垂直尺度化に関する理論的検討、7)最適な垂直尺度構成のための項目配置の決定、8)次期指導要領改定にともなう項目の入れ替えのメカニズム構築は問題項目の作成・開発も含めていずれも計画通り実施できた。具体的には以下の通り。2)については平成29年度日本教育心理学会第59回総会にて報告の予定である。また、6)については佐藤・柴山(2016)および坂本・柴山(印刷中)により公刊した。佐藤・柴山(2016)では「IRTモデルにもとづく学力評価ルーブリックの作成手法の試み―小学校算数・面積学習領域を対象として―」をテーマに、学力テストとは別にパフォーマンス課題を用意し,「どの学力レベルにいる者が具体的にどのような解答のふるまいをするか,どこでつまずきやすいのか」という学力特性値(θ)のレベルと実際の解答パフォーマンスとの関連について探索的検討を行い,IRTモデルにもとづく学力評価ルーブリック作成のための手法を開発し、学力レベルと実際の解答パフォーマンスとの関連について検討し,学力評価のためのルーブリック作成の手法を提案できた。坂本・柴山(印刷中)では「学力テストの下位領域に関する多次元IRT分析」をテーマに、「テスト(項目)はそもそも何を測っているのか」という構成概念に関する精緻な検証方法が求められていることを念頭に、多次元IRTを使って下位領域による項目への影響について定量的に検証した例により、多次元IRT分析にもとづくより精緻な妥当性検証が可能であることを示すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度中に完了予定であった、「次年度開始のデータ収集協力機関への正式依頼」が諸般の事情、特に試験実施に関わる単価が具体的な作業とともに見積もりをとったところ、事前予想よりも高くなることが年度末になって明らかになり、コホート調査の設計およびデータ収集計画の見直しのため未完である。データー収集は本事業の核心部分をなすものであることから、平成29年度以降の進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
協力機関への正式依頼を最優先に、前年度に引きつづき各研究ユニットの課題を遂行する。また,平成29年度より調査が本格的に実施される。項目のテストへの組み上げ,問題冊子の印刷,マトリックス・サンプリング手法に則した特殊な実施ノウハウが必要なため,実施にあたっては柴山の統括責任のもと,外注により専門企業のサポートをうける。また,コホート・デザインによりこの年度の実施対象学年が一番多い。協力校へのフィードバック,得られた結果の初回の項目分析およびIRT 分析によるひとまずの垂直尺度の構成,その過程を通じての他教科・多分野への展開可能性の探索的検討を開始する。進捗状況や分析結果の検討のため,研究会を東北大学にて開催する。
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