研究課題
身体不満足感は、極端なダイエットや情動摂食など食行動の問題や喫煙など健康行動の背景要因とされている。本研究の目的は、従来の質問紙調査法による研究方法の限界をふまえ、生態学的妥当性を備えた測定方法を用いて、以下の3点を明らかにすることにあった:a)感情、認知、ボディイメージ、健康関連行動の関連性, b)対人的相互作用、社会文化的要因のとりこみがボディイメージに与える影響の過程, c)生態学的妥当性を備えた、身体不満足改善のための介入方法の検討。具体的には、健康行動におけるボディイメージの役割について、Ecological Momentary Assessment (EMA)を用いた調査を行い、日常生活で生起する感情や身体不満足感の関連を解明し、生活場面に即した介入方法のありかたの検討をめざしている。2019年度から終了年度にかけて、1) EMA、ボディイメージ、健康関連行動についての国内外の研究の動向調査, 2) 社会文化的要因の内在化などの特性要因が、日常生活下の状態としてのボディイメージや健康行動に及ぼす影響について、収集ずみの強縦断データの解析と成果発信, 3) 身体不満足感や不健康な食行動予防のための介入プログラム開発の検討を行なった。上記2については、EMAを用いたデータを、測定時、曜日、個人差要因の3レベルのマルチレベルモデルを設定し、状態ボディイメージやfat talkとの予測関係を検証した。fat talkや状態としてのネガティブボディイメージが生起しやすい時間や場所の特定や、社会文化的要因の内在化の関連が示唆された。介入プログラムとして、マインドフルイーティングの概念に着目し、マインドフルネスに基づく食観トレーニングプログラムの翻訳を行い出版を完了させた。コロナウイルス感染拡大予防のロックダウンが食行動やボディイメージに及ぼす国際共同研究を実施した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Health Care Quality Assurance
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