研究課題/領域番号 |
16H03758
|
研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
梅野 正信 上越教育大学, その他部局等, 理事兼副学長 (50203584)
|
研究分担者 |
斉藤 利彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20178495)
市山 雅美 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (50410030)
高 吉嬉 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (20344781)
國分 麻里 筑波大学, 人間系, 准教授 (10566003)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 植民地教育史 / 校友会雑誌 / アジア認識 / 日本認識 / 学校教育史 |
研究実績の概要 |
本研究は,戦前期のアジア認識や日本に対する認識を,生徒自身による記載をもとに,とりわけ,非統治民衆子弟の在籍する校友会雑誌等に焦点をあて、中国、台湾、朝鮮半島の校友会雑誌等(戦前)、同窓会雑誌(戦後)等を収集・複写し、日本人以外の生徒のアジア認識・日本認識に関する記述の変遷を分析するとともに,高齢となられた生存者からの聞き取り調査を通して記述内容を批判的に相対化し、アジア認識、日本認識の変遷を教育史的に考察することを目的とする研究である。 研究第2年目となる平成29年度は,①被統治民衆子弟に焦点をあてた調査,②同一地域で統治民衆子弟として生活していたであろう日本人生徒の日本認識,アジア認識について資料探索・複写,聞き取り調査を行った。前者について。朝鮮戦争の被災を回避できた韓国釜山地域の私立学校において,植民地下で抵抗し閉校した経緯を確認することができたこと,後者について,多くの生存されている方の協力を得て,当時の日本人としての意識を率直に聞き取ることが出たことは,大きな収穫であったといえる。 平成29年度末(3月)には,これらの成果をふまえて,日本,韓国,台湾のメンバーが集まり,上越教育大学において,韓国におけるアンケート調査を実施すること,台湾において国際シンポジウムを実施することが確認され,最終年度に向けた研究成果のとりまとめに目途をつけることができた。平成30年度は、最終年度として研究成果をとりまとめつつ,その内容を,台湾で11月に開催する国際シンポジウムなどで公表するとともに,報告冊子用論文にとりまとめる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成29年度は韓国釜山における,戦前のミッションスクールが植民地統治下で閉校を余儀なくされた経緯や関係資料を調査することができた。また,戦前期の大連に在住した日本人に対してアンケート調査を実施し,一定数の回答を得ることができた。いずれも,中等諸学校生徒による戦前期の日本に対する認識,アジア認識を考察するには貴重な資料であり,少なくない成果を得ることができた,
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、最終年度として研究成果をとりまとめつつ,その内容を,台湾で11月に開催する国際シンポジウムなどで公表する。またそのために,7月に科研構成員による研究会を開催し,11月にかけては,シンポジウムに向けて,韓国、台湾、中国関係の資料複写及び聞き取り調査等を行う。 12月から平成31年2月にかけて科研構成員による研究会を開催し、報告冊子用論文にとりまとめる予定である。
|