研究課題/領域番号 |
16H03786
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉田 文 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10221475)
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研究分担者 |
杉本 和弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (30397921)
杉谷 祐美子 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (70308154)
姉川 恭子 早稲田大学, 大学総合研究センター, 講師(任期付) (00749096)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高等教育 / 教養教育 / 専門教育との関係 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究課題においては、大学教育における教養教育が専門教育との関係でどのように実施されているか、そこにどのような葛藤の有無が存在するかについて、日本、中国、香港、イギリスの4地域を対象にした比較研究を行った。いずれも専門教育主体の高等教育システムに、後から幅広い学問分野を学習することを目的とした教養教育(一般教育)を導入したという点で共通性をもつ。その点から、専門教育と教養教育の間に何らかの葛藤が諸事ているのではないかと考えた次第である。 調査の結果、下記の点が明らかになった。 1.第二次世界大戦後にアメリカに倣って一般教育を導入した日本と、2000年前後に教養教育を導入したそれ以外の社会とでは、教養教育(一般教育)に課せられたミションが異なる。ン本の場合、民主主義を担う市民の育成という政治領域におけるミッションが掲げられたのに対し、近年、教養教育を導入した社会ではemployabilityの向上という経済領域における課題が課せられているという差異がある。 2.日本の場合は、どの高等教育機関もすべからく同一のカリキュラムの導入が求められ、それが専門教育との関係で葛藤を生じた可能性があるが、それ以外の地域では、エリート養成を目的とした教養教育としての色彩が強く、学内の別カレッジとして特別に選抜した学生に実施しているケースが多い。 3.日本の場合は、アメリカに倣った配分必修制を導入したが、近年、教養教育を導入した社会では、エリートのemployability育成というミッションと相俟って、教育内容において研究の方法を学ぶ科目、ある課題に対し学際的なアプローチを試みる科目など、内容に関しても研究を重ね、工夫を凝らす傾向がある。 こうした試みが、どのような組織的配慮によって可能になるのか、それを明らかにすることがさらなる課題である。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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