研究課題/領域番号 |
16H03792
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
清水 美憲 筑波大学, 人間系, 教授 (90226259)
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研究分担者 |
清野 辰彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00550740)
宮崎 樹夫 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (10261760)
清水 静海 帝京大学, 教育学部, 教授 (20115661)
太田 伸也 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50322920)
岩田 耕司 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90437541)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 数学教育 / 数学的プロセス / スタンダード / 学力調査 / 数学的活動 / オープンエンドアプローチ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,数学教育における高次目標とその評価方法に関する理論的研究を行うとともに,新類型の算数・数学教材の開発と授業におけるその試行・評価による実践的検証を通して,次世代型数学教育におけるプロセススタンダードを開発することである。 研究の第一年次である平成28年度には、戦後の算数・数学学力調査の実施の経過と成果を把握し,各種学力調査の実施の意義と限界,および児童・生徒の学習状況について得られた知見を分類整理して総合的に検討して,今日の数学教育の現状と課題を踏まえた算数・数学学力論の整理を試みた。その際,数学的リテラシー論が提起する新しい展望や数学の言語性を視野に入れた数学的活動等の視点から,これまでの目標論を相対化して再考するとともに,米国のCommon Core State Standards for Mathematicsにおける「数学的実践(Mathematical Practice)」やオーストラリアの全国統一カリキュラムにおける「数学的熟達(Mathematical Proficiency)」等の概念について理論的に考察するとともに,わが国の目標論との異同を理論的に分析・整理した。 このような準備の下で、研究の焦点として、全国学力・学習状況調査の問題作成の枠組みで示された数学的プロセスの検討を行い、数学的な問題発見と問題解決のプロセスから見た数学的プロセスの新しい枠組みを検討した。この研究の推進のために、研究会を2度実施し、論文の形にまとめた。この第1年次の成果については、日本数学教育学会第5回春期研究大会(平成29年6月11日、横浜国立大学)において「創成型課題研究」としてシンポジウム形式の発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1年次の研究は、今後2年間の研究の基礎的検討を中心に行って、これまでの算数・数学学力調査の実施の経過と成果や、児童・生徒の学習状況について得られた知見を分類整理して総合的に検討し、今日の数学教育の現状と課題を踏まえた算数・数学学力論を整理した。この時点で、一定の成果が得られており、検討の成果を、日本数学教育学会第5回春期研究大会においてシンポジウム形式で発表する予定である。その一方、4年に一度開催される数学教育世界会議(平成28年7月、ハンブルグ)に研究代表者、分担者の一部が参加し、最新の研究情報を収集することができた。これらの点からみて、研究計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果に基づいて、さきに告知された新学習指導要領の検討と評価を視野に入れながら、次年度はプロセススタンダード構築のための具体的な検討を行うとともに、教材開発を行っていく予定である。その際、わが国で研究が進められてきたオープンエンドアプローチ等の枠組みについても改めて検討し、特に小・中学校段階の研究協力者との研究体制を組織して、教材開発、授業を通した検証への展開を図る予定である。 研究の推進に当たっては、日本数学教育学会の春期研究大会の創生型課題研究、及び秋期研究大会を中心に学会発表を行い、研究内容の適切性、妥当性についての検討をしていく。
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