研究課題/領域番号 |
16H03796
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 敏 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20171754)
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研究分担者 |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
廣内 大助 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50424916)
村松 浩幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80378281)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 防災 / ICT活用 / アクティブラーニング / 教員養成 / 教育系心理学 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、本研究が最終成果物として予定する防災教育アクティブラーニング・サイトで提供する地域防災教育教材の制作とソフトウェアの開発を行った。 防災教育教材の情報基盤のプロトタイプとして、2014年に発生した長野県神城断層地震の災害アーカイブを構築した。これは次年度からの防災教育実践における教材として活用する予定である。 また、他方で実際にアクティブラーニングによる防災教育実践を支援するためのソフトウェアを開発し、実証試験としての授業実践を企画・実施した。この授業は児童自身による防災教材の作成活動であり、同ソフトウェアは児童の学年段階や学習内容にあわせて教師側で任意にセッティングを操作・変更でき、児童の学習と教師の指導の両用の支援ソフトとしての機能をもたせた。具体的には、当該ソフトはオフラインで活用可能なipad用防災マップ作成支援アプリであり、Web-GIS基盤のeコミマップを活用して、ある地点で撮影した画像等に地理的位置情報をその時点で付加することができる。実際に長野県内の小学校において3年生を対象に社会科・総合的な学習の時間で、このソフトを実装したipadを児童自身に携帯させて郊外に出て自由に地域を取材し、現場で撮影した画像と児童自身のコメント(文字入力)を教室に持ち帰り、コンピュータ画面上で地域防災マップの制作活動を行った(画面上のマップの撮影地点に当の画像が自動的に格納される)。これにより児童の当該ソフトの使用中のログデータ、及び操作性・効率性等のアンケートデータを学習情報・評価情報として得た。このデータをもってソフトウェアの改良・改善と防災教育授業の評価方法の開発研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は本プロジェクトの実施1年目に当たり、主たる達成目標として、(1)児童用の知識習得・自学用eラーニング教材の開発、(2)アクティブラーニング・サイトの構築、(3)教師用のアクティブラーニング支援教材の開発、及び(4)診断的・形成的・総括的評価手法を含むアクティブラーニングパッケージの開発を挙げていた。 結果として、サイトの基本設計(上記2)を実現し(実際のプログラミングは経費が大きいので次年度も設計の更新を進めてから発注することにした)、また児童用・教師用の両用教材として使える防災マップ作成支援ソフトウェアの開発(上記1,3)を実現した。そして、当該ソフトウェアの実証試験として小学校の授業で使用した際に、参加した児童の学習情報・評価情報を得ることができたので、このデータを利用しアクティブラーニングパッケージの開発に必要となる防災学習の評価方法の研究(上記4)を行うことができ、次年度から同パッケージの具体的な設計と制作に見通しをもつことができた。 以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に開発したソフトウェアと実践した授業方法を用いて、さらに小中学校の協力校において実証研究を継続実施する。その制作物を防災教育教材としてアクティブラーニング・サイトを立ち上げ保存管理しつつ、それらの知見をもとにソフトウェアと防災教育実践の方法の改善・改良を進め、アクティブラーニング・パッケージの試作第一号に結実させる。そして、このパッケージの運用実績を重ねて改善・改良を進める。
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