研究課題/領域番号 |
16H03803
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
相馬 誠一 東京家政大学, 人文学部, 教授 (20299861)
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研究分担者 |
伊藤 美奈子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20278310)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自殺予防 / 自殺予防教育 / 生きる力 / 希死念慮 / 学校回避感情 / 家庭状況 / 抑うつ感 / 危機対応 |
研究実績の概要 |
・平成28年8月27日に山形大学で研究会を開催し、今後の研究の進め方、質問紙調査にについて討議した。さらに、8月28日に、日本カウンセリング学会第49回大会で、大会実行委員会シンポジウムに全面的に協力し、「子どものいじめ予防・自殺予防とカウンセリング活動を行った。企画・話題提供者は相馬誠一(東京家政大学)、伊藤美奈子(奈良女子大学)、話題提供者は阪中順子(四天王寺学園)、西山久子(福岡教育大学)、指定討論者は新井肇(兵庫教育大学)であった。 ・平成28年9月5日日本心理臨床学会第35回大会で、「2年間の継続調査による中学生の抑うつ感とバウムテスト」について奥秋知香(さいたま市)、相馬誠一が連名発表した。 さらに、平成28年11月から2月にかけて、自尊感情、学校適応(対教師、対友人、学習について)、家庭状況、 抑うつ感、生きる力、いじめ、相談相手、 生死観、 学校回避感情、生死に関する経験の総合調査を北海道から福岡まで、小学生1,224名(男629名、女595名)中学生1,718名(男907名、女811名)、高校生900名(男446名、女454名)で実施した。 ・調査内容については、取り急ぎ「配慮を要する児童生徒」について各学校に、個別指導をしてほしい児童生徒をリストアップし、普段の様子伺って必要でしたら担任の先生が相談に応じることを要請した。また、緊急度が高いと思われる児童生徒には、是非スクールカウンセラー等につなぐように要請した。研究会については、メール等を活用しながら随時実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究メンバーと情報を交換しながら、困難な調査を北海道から福岡にかけて実施できたことは大きな一歩である。調査内容については、緊急性があると思われる内容については各学校に連絡して、児童生徒への配慮を要請した。また、児童生徒の死生観、抑うつ感、自尊感情を調査し、地域性、性差、学年差等を踏まえて分析している。 日本カウンセリング学会等でのシンポジウム等では、貴重な意見交換もできた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、さらに調査内容を分析し、自尊感情や学校・家庭適応、生きる意欲得点が低い児童・生徒、不登校・いじめ・抑うつ得点が高い児童・生徒については、調査結果を検討して、これらの児童生徒の日常の様子を十分に観察していくためのポイントを整理していきたい。また、全国教育研究所連盟所属の教育機関や都道府県・政令指定都市教育委員会担当者に自殺予防教育プログラムに関するアンケートを実施し、自殺予防教育プログラムの資料収集に努め、実践者より情報の収集にも努める。リストアップされた教育研究所機関等に現地調査を実施する。 さらに、国内外の自殺予防教育プログラム等を調査する。とりわけ、アメリカ合衆国フロリダ州やニューヨーク州の包括的自殺予防介入プログラム、ストックホルムでの学校における短期間の自殺予防介入プログラムを収集し、海外の現地スタッフが中心となり、収集した資料をスタッフが翻訳し、他のスタッフと協議しながら情報を整理する。新たな課題や研究の視点を整理する。 そのうえで、学校や家庭でチェックポイント、教育相談担当や養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの連携の在り方や適切な教育相談・生徒指導に活用できるように検討を進めていきたい。
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