本研究は、現在の生物教育の現状を踏まえ、高等学校を中心とする生物教育においてすぐに役立つ、「(1)誰でも簡単に用いることができる斬新で効果的な分子生物学用実験教材の開発」ならびに「(2)生物基礎と生物の両科目や他教科との間を横断的に学ぶことができる斬新な生物教育教材の開発」を行うことを目的としている。
(1)ア)昨年度終了済みであり、論文発表を行った。イ)昨年度終了済みであり、論文発表済みである。ウ)昨年度終了済みである。
(2)エ)昨年度終了済みである。オ)ICT教材開発の一環として、プログラミング教育を理科教育に取り入れるための基礎研究を行い、教育効果測定のために新たなスマホアプリ(下線引きアプリ)を開発した。さらにプログラミング教育と生物教育を融合させた新たなプログラミング学習のための教材(系統樹作成プログラム、細胞動態解析プログラム)を開発した。前者に関しては、現在論文を投稿中であり、後者に関しては、現在論文を作成中である。カ)大学生を対象とした生物進化の主要イベントの年代に関する質問紙調査、遺伝に関する質問紙調査を行い、論文発表を行った。キ)昨年度終了済みである。ク)ウイルスよりも生物に近い「巨大ウイルス」を用いた実験教材ならびにその教材を用いたカリキュラムを開発した。当初予定では生徒自身にはウイルスそのものを取り扱わせないような教材開発を目指したが、マニキュアで封入することにより巨大ウイルスの漏出を防ぐ方法を見出すことに成功したため、巨大ウイルス(ミミウイルス)を直接見ることのできるプレパラート作製を行うことができ、論文発表を行った。ケ)当初予定にはなかったが、生物と地理との教科間連携を可能にするGPSを利用した生物教材用アプリの開発を行った。 現在論文を投稿中、もしくは作成中の課題については、令和元(2019)年度中に論文発表を行う予定である。
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