研究課題/領域番号 |
16H03808
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
園山 繁樹 筑波大学, 人間系, 教授 (90226720)
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研究分担者 |
下山 真衣 就実大学, 教育学部, 講師 (00609620)
濱口 佳和 筑波大学, 人間系, 教授 (20272289)
松下 浩之 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (30633789)
江口 めぐみ 立正大学, 心理学部, 助教 (40550570)
酒井 貴庸 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特任助教 (50744108)
関口 雄一 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (70758820)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 選択性緘黙 / 場面緘黙 / 情緒障害 / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
本研究は選択性緘黙について以下のことを目的としている。第1に、選択性緘黙の多様性を明らかにする。第2に、学校における選択性緘黙児童生徒の在籍率、支援の在り方、年齢による状態像の変化を明らかにする。第3に、選択性緘黙の多様性のアセスメント法の開発と個に応じた支援方法を検討する。平成28年度は以下の研究活動を行った。 1.幼・小・中学校への質問紙調査:学校における選択性緘黙児童生徒の在籍率と支援の在り方を明らかにするために、14の自治体の公立幼稚園・小学校・中学校全校269カ所を対象に質問紙調査を行った。調査結果は、平成29年度に学会でポスター発表する予定である。また予備的検討として選択性緘黙の有病率に関する先行研究の検討を行い、平成29年3月開催の障害科学学会第12回大会でポスター発表した。選択性緘黙経験者に対する質問紙調査については質問紙の作成を終えたが、実施方法の細部について研究協力を得た当事者団体と検討中である。 2.事例研究:大学教育相談室において2名の事例研究を行った。うち1名の相談経過について、平成29年9月開催の日本特殊教育学会第54回大会でポスター発表予定である。フォローアップを行った1名の相談経過を論文にまとめ、「障害科学研究」第41巻第1号に掲載された。 3.キックオフシンポジウム:平成28年9月開催の日本特殊教育学会第53回大会において、自主シンポジウム「選択性緘黙のある子どもへの支援―支援事例の検討から支援の多様性を考える-」を開催し、研究分担者を中心に研究発表した。 4.先進的実践・研究の実地調査:平成29年3月にMcMaster大学(カナダ)を訪問し、大学附属小児病院を中心に実施されている実践と研究について情報収集した。また本研究課題で取り組んでいる研究内容に関する情報交換を行い、特に年長児に対する新しい支援方法についての貴重な情報を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下のような進捗状況から、次に掲げる本研究の主な3つの目的について、初年度としての研究活動はおおむね順調に進展していると判断できる。1.選択性緘黙の多様性を明らかにする。2.学校における選択性緘黙児童生徒の在籍率、支援の在り方、年齢による状態像の変化を明らかにする。3.選択性緘黙の多様性のアセスメント法の開発と個に応じた支援方法を検討する。平成28年度の研究活動の進捗状況は以下のとおりである。 目的1については、キックオフシンポジウムにおいて年齢と状態像の異なる3名の児童生徒の支援事例について報告し、支援方法を検討することができた。また状態像の異なる2名を対象に事例研究を開始し、1名については支援経過と状態像の変化について、平成29年度の学会で研究発表できる状況にある。 目的2については、幼・小・中学校への質問紙調査を実施し、現在データを整理・分析中である。また予備的検討として有病率に関する先行研究の検討も終え、学会でポスター発表し、論文投稿の準備中である。 目的3については、先進的実践・研究の実地調査により、特に年長児に対するアセスメント法と支援方法に関する最新の情報を得ることができ、その他の最新情報と併せて、論文投稿を準備中である。 なお選択性緘黙経験者に対する質問紙調査については、質問紙の作成を終え、平成29年度に実施する準備ができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は主として以下の研究活動を行う。 1.幼・小・中学校への質問紙調査のデータ分析と成果発表:データを分析し、平成29年度開催の学会においてポスター発表を行う。併せて、論文としてまとめ、投稿する。平成28年度に予備的検討として行った選択性緘黙の有病率に関する先行研究の検討については、論文としてまとめ投稿する。 2.選択性緘黙児童生徒の事例研究:大学教育相談室において事例研究を継続する。そのうちの1名の相談経過については平成29年度開催の学会においてポスター発表する。併せて、論文としてまとめ、投稿する。 3.選択性緘黙経験者に対する質問紙調査・面接調査。選択性緘黙経験者に対する質問紙調査を実施するとともに、10名程度を対象に面接調査を実施する。 上記の研究計画については、すでに筑波大学人間系研究倫理委員会の承認を得ている。
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