本研究ではまずMgB2と水の反応メカニズムを調べた。MgB2のマグネシウムイオンがプロトンとイオン交換した後に加水分解がおき、この過程でホウ素を骨格とするシート物質が形成することがわかった。次に、MgB2のマグネシウムイオンをプロトンとイオン交換すると同時に、他の反応を抑制することで、水素とホウ素のみで構成される新しいホウ素を基盤とした二次元物質の形成を試みた。室温・大気圧下という温和な条件でシート物質の形成に成功した。得られたシート物質は負に帯電したホウ素の二次元シート骨格とプロトンのみにより構成され、H:B=1:1の組成比であることがわかったため「ホウ化水素シート」と名付けた。
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