研究課題/領域番号 |
16H03829
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大川 祐司 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主席研究員 (40242169)
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研究分担者 |
小川 真一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 招聘研究員 (00590085)
新ヶ谷 義隆 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (40354344)
有賀 克彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (50193082)
中払 周 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (90717240)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ナノデバイス / ナノ材料 / 走査プローブ顕微鏡 / ヘリウムイオン顕微鏡 / 単分子デバイス |
研究実績の概要 |
情報デバイスのさらなる発展のためには、集積回路を構成する素子をさらに微細化・低消費電力化する必要があり、そのための革新技術の開発が必要とされている。個々の有機分子に電子デバイスとしての機能を持たせる単分子デバイスはその有力候補であり、実現するには外部と信号のやりとりをするための電極を単分子に確実・安定に接続する技術を確立する必要がある。そこで本研究の目的は、我々が開発した、グラフェンの電気伝導特性を局所的に制御する技術を応用することにより、電極部分と絶縁部分に原子レベルの段差すら無い革新的フラット電極を開発し、単分子デバイスなどのナノデバイスへの安定な電気的接続を確実に行う方法を提供することである。 そこでまずは、平坦な基板の選別、単層グラフェンの配置、グラフェンが単層である事のラマン分光法等による確認、単層グラフェンへの金属電極の蒸着、等の手法を確立した。シリコン酸化膜を用いた基板では平坦性が十分でなかったので、サファイアを平坦な基板として用いることにした。次いで、ヘリウムイオン顕微鏡を用いて単層グラフェンに原子レベルの欠陥を局所的に導入する事を試みた。ヘリウムイオン顕微鏡による欠陥サイト導入にはまだ条件の最適化等が必要であり、そのため、ヘリウムイオン顕微鏡装置内で単層グラフェン試料の電圧-電流特性を測定できるように装置の改造を行なった。 また、以上の実験と平行して、走査プローブ顕微鏡(SPM)で作成・観察した単分子デバイス等の電気伝導特性をその場で測定できるようにするため、現有の超高真空SPM装置に電極を追加する等、単分子デバイスの電気伝導特性計測に向けた装置の整備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が病気になってしまい、長期間の入院および自宅療養が必要であった。自宅療養期間が終わった後も、病気の治療を優先するために、仕事時間は極端に短くする必要があったため、思うようには研究が進捗しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度から引き続き、ヘリウム顕微鏡によって単層グラフェンの局所的な電気特性の制御を行うための条件を調べる事を中心にして研究を進めることにする。 また、基板として六方晶窒化ホウ素を使う検討も行っていく。
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