生命現象の解明を目指した高精度な細胞機能制御技術の開発は、生命科学研究における究極の目的の一つである。なかでも光を活用した細胞機能制御技術は、簡便性や細胞応答性の高さから注目を集めている。しかし、従来技術は、生体透過性の低い光を利用するため生体深部領域の細胞機能を制御することはできない。また、安全性の低いウイルスを利用するため医療応用が難しい。従って、本研究では、生体透過性の高い近赤外光によって機能するナノ複合体を新規合成・活用することで、ウイルスフリーで、かつ生体深部の細胞機能をナノメーターレベルで光により制御する技術の開発に取り組んだ。本研究は、とりわけガンや神経変性疾患に対する新しい分子標的医薬や先進医療技術のための普遍的な技術となる。
|