研究課題
前年度までに開発をほぼ完了した走査型トンネル顕微鏡/分子線ビームエピタキシー(STM/MBE)複合装置を用いて、SrTiO3(100)-(R13xR13)最構成表面上におけるFeの初期成長の様子をSTMを用いて高分解能観察した。まず、SrTiO3(100)-(R13xR13)最構成表面の作製条件を見出すことに注力したが、過去の研究を参考に、酸素分圧下で加熱を行うことで、平坦性のある表面作製が可能になった。この表面上にMBEを用いてFeを蒸着した。蒸着した表面と300℃で加熱した表面において、STM画像パターンがどのように変化するかを調べた。その結果、300℃で加熱した場合は、(R13xR13)構造ではあるものの、明らかにコントラストの変化があることを確認した。また、Fe蒸着を行った表面にはクラスタ状の粒子が多く存在し、試料の加熱温度や加熱時間を変化させても、その状態が維持されて、試料表面が平坦化されるという条件を見出すことができなかった。そこで、通常の(R13xR13)構造、Fe蒸着によってコントラスト変化した(R13xR13)表面、クラスタ状でI-V特性を測定した。その結果、(R13xR13)構造は非常によく似た半導体の状態を示す特性が得られ、クラスタでは金属の特性が得られた。その結果より、コントラストが変化した(R13xR13)構造はFe蒸着によって最表面だけが影響を受けていると考えられる。また、クラスタは鉄と試料表面のO原子が混ざりあった状況になっていると考えられる。いずれの結果も、今後の追試実験を進め、表面構造と電子状態の関係を明らかにしていく。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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