研究課題
フェムト秒パルスレーザー励起テラヘルツ波パルスによって、伝導状態を始めとする物質状態の超高速制御を実現することが本研究の目的である。特に高強度なテラヘルツパルス電場や磁場等により、物質状態をスイッチしたり改変したりすることを試みる。金属ナノクラスタを有機材料に導入することで、非線形な電流電圧特性,双安定性が現れることを確認した。テラヘルツ波を照射できるように、試料表面に回折格子状の電極を設置し、この状態に、テラヘルツ波パルスを照射することで、金属ナノクラスタ近傍に増強されたテラヘルツ電場が発生し、それにより高抵抗状態・低抵抗状態間をスイッチすることが可能であることが明らかになった。また素子の作製条件を最適化することによって、伝導度の変化度の増大を得られた。本研究成果については、現在論文投稿中である。FELによる高強度テラヘルツパルス照射により、アブレーションが生じること、および波長以下の微細周期構造(LIPSS:Light Induced Periodic Surface Structure)が生成されることを報告した。このことはテラヘルツ波パルスにより加工が可能であることを示唆するものであり、新たな応用例として興味深い。さらに入射するテラヘルツ波パルスに螺旋位相差板を用いて光渦を発生させることに成功した。テラヘルツ光渦により、アブレーションを誘起し、そのアブレーション痕が異なることを確認した。高強度なテラヘルツ波パルスにより、伝導度を始めとする物質状態の超高速制御が可能であることを示す実験結果が得ることができた。今後もテラヘルツパルスによる状態制御・非線形光学効果の実行例は未だ限られており、それらの実施例を増やしていくとともに、その機構についても、明らかにしていきたい。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 4件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (44件) (うち国際学会 30件、 招待講演 9件) 備考 (2件)
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