研究課題
本研究課題では,研究提案者独自のレーザー励起テラヘルツ(THz)波技術を極限まで発展させ,これまで詳細が明らかになっていない光触媒反応過程におけるキャリアの動的過程をピコ秒オーダーかつ数百ナノメートルオーダーで観察する新技術を確立することである。従来のTHz波ケミカル顕微鏡では,THz波放射用フェムト秒レーザーを斜めに照射する必要があり,その為空間分解能が低下する。ここでは,観測領域制限用とTHz波放射方向制御用の2つのレーザーパルスによるに2光子THz波励起法を確立することで,局所光反応計測を実現する。確立する方法は他のTHz波発生技術へも波及可能であり,THz波分野の基礎基板技術ととなる。具体的には、光触媒として広く知られている二酸化チタン薄膜をテラヘルツ波放射素子であるセンシングプレート上に作製した上で、波長800nm、パルス幅80fsのフェムト秒レーザー照射によるセンシングプレートからのテラヘルツ波放射と同期させ、非線形決勝による波長400nm高調波の光触媒への同期入射を確立した。その結果として、光触媒反応による光触媒の超高速電位上昇を、テラヘルツ波強度の増加としてピコ秒スケールで観測、可視化することに成功した。以上の成功の結果として、社会・産業への寄与では,光触媒設計へ重要な知見を与えることができるため,高い効率の光触媒開発につながる。学術面では,超高速光化学分析といった光極限技術と光触媒化学を横断する新しい学術分野を提供できる。この分野では,光触媒だけでなく,カーボンナノチューブなどの新固体材料分野,電気化学計測分野へも貢献できる。また無機材料だけでなく有機材料へも適用ができることから,光合成のメカニズム解明や酵素蛋白質の反応過程解明など生化学分野へも波及していくと考えている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Photonics,
巻: 6 ページ: 10