研究課題
光渦は軌道角運動量と位相特異点によるドーナツ状のビームプロファイルをもつ光波である。本研究は、光渦レーザープロセスによる酸化亜鉛(ZnO)ナノ・マイクロ結晶球のオンデマンド作製と、これまでにない新たな不純物ドーピング手法を確立し、ドープZnO 微結晶球による紫外光領域光電子デバイス分野を開拓することを目指す。昨年度までに高速度カメラ観察システムを用いて、光渦レーザー照射時にレーザー出力を変調することで直線飛翔するドロップレットのサイズを制御できることを実証したが、H30年度は、光渦レーザーのビームプロファイルを制御することで飛翔角度の制御が可能であることを見出した。具体的には光渦生成の位相板の調整によりドロップレットの飛翔方向を-20°~+20°の範囲で制御できることを確認した。この成果は、作製したマイクロ結晶球の捕集と位置制御において強く有用となる。さらに、これまでの赤外光渦レーザー照射光学系に加え、軸対称偏光変換素子を導入することで紫外355 nm光渦レーザー生成にも成功した。この紫外光渦レーザーを用いることでZnO薄膜を加工できることを確認し、膜厚とレーザー出力の2パラメータによるZnOドロップレットのサイズ制御の可能性を見出した。作製したZnOマイクロ結晶球の発光特性について、HoドープZnOマイクロ結晶球において355 nmパルスレーザー励起時に紫外WGMレーザー発振を得るとともに、488 nm連続光レーザー励起時に波長670 nm帯における低しきい値WGM共鳴を得た。同一ZnOマイクロ結晶球から異なる波長帯にてWGM発光が得られることを世界に先駆けて実証した。さらに、MgドープZnOマイクロ結晶球のMg添加量に応じた結晶構造を明らかにするとともに紫外WGMレーザー発振の波長領域の拡張に成功した。また、電流駆動によるマイクロ結晶球からの発光も確認した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
光アライアンス
巻: 30 ページ: 38-42
Applied Physics Letters
巻: 112 ページ: 262102
10.1063/1.5031838