研究課題
BGaN結晶成長技術の開発およびBGaN-pinダイオードを用いた中性子検出測定実験の実施を行った。新規B有機金属原料であるトリメチルボロン(TMB)を用いた結晶成長技術の開発において、成長温度が及ぼす影響を評価した結果、BGaN成長表面における原子の脱離がGaNやBNよりも低温で起こっていることを確認した。この結果により、成長温度の最適化を実施したことで約14μmの厚膜結晶成長を実現するに至った。更に作製した厚膜結晶を用いたデバイス作製を実施し、高段差リフトオフプロセスの検討により14μm-BGaN層のデバイス化を実現した。作製したダイオードにおいて、特にデバイス特性が良かった7μmのダイオードを用いて中性子検出測定の評価を実施した。α線検出特性評価により有感層領域がBGaN層全てに至っていることが確認でき、更に中性子検出測定においても、中性子検出由来のピークを得るに至った。B原子の中性子捕獲反応による荷電粒子の飛程が約5μmであることをシミュレーションにより導出しており、中性子捕獲反応により発生する荷電粒子の全エネルギーを検出するシミュレーションと実験による約j2.4MeVのエネルギーの中性子検出効率を比較したところ、膜厚による検出効率の増加が理論値の増加傾向と一致していることが確認された。これらの結果よりBGaN結晶成長技術の開発により達成した厚膜BGaN結晶を用いることで、中性子検出効率が向上しエネルギー弁別可能な中性子検出器の実現を達成した。本研究結果をもとに更なる開発を進めることで中性子半導体検出器の実用化が可能である。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Japanese Jornal of Applied Physics
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