研究課題/領域番号 |
16H03925
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤野 修 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60324711)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 極小モデル理論 / 混合ホッジ構造 |
研究実績の概要 |
2016年の4月に京都大学から大阪大学に異動し、新しい環境で研究を始めたのが2016年度であった。すでに4つ目の職場で大学の異動の経験はあるのだが、やはり環境の変化でかなりストレスを感じていたようである。色々なことが予定通りに進まず、不完全燃焼の部分が若干残ったのが2016年度であった。ただ、数学の研究はコンスタントに成果をあげていたつもりである。悪天候で出張の取りやめなどが重なり、研究の計画を若干ずらして行ったのが2017年度の前半であった。数学的には、東京電機大学の藤澤太郎さんとの共同研究がこの期間の一番の成果のはずである。ホッジ束に入る計量についての結果である。結果は新しく、かなりシャープないい結果だと思うが、80年代や90年代の素晴らしい先行結果に依存した結果なので、あまり自慢できる結果ではないかもしれない。本来なら90年代半ばあたりにその方面の専門家が論文を書いているべき内容だと思う。いずれにせよ、欠落していた部分をちゃんと厳密な形で証明し、論文を書き上げたことは重要だと思う。
全く話はかわるが、2017年の6月に第1回大阪高次元代数多様体論---正標数の世界---なる1日だけの小規模な研究集会を開催することが出来たのはよかった。海外から田中公さん(現東京大学准教授)を招聘して講演してもらい、充実した研究集会になったと思う。小規模の勉強会のつもりだったのだが、当日大阪大学の会場のセミナー室に来ると、全国各地からたくさんの聴衆が集まっていて、かなり驚いた記憶がある。今後もまた同様の研究集会を開きたいと思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
なんだかんだいっても、ここ数年は自分で想定しているよりハイペースで論文を執筆できている。それに尽きると思う。科学研究費は年度ごとなので、今回は予定通りに計画が進まずに若干繰り越しをしてしまったが、大きな流れで考えると、順調に研究は進んでいる。年度の切れ目と研究の切れ目が大学の異動による環境の変化などでずれてしまっただけである。
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今後の研究の推進方策 |
すでに2017年度は十分な研究ができた。擬対数的スキームの理論の応用など、まだまだやりたいこともアイデアもたくさんある。年度で区切ると2016年度はちょっとトラブル続きで迷走したが、大きな流れで見ると研究は順調に進んでいる。今後も頑張りたい。
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