実4次元多様体上の自己双対計量(すなわち半共形平坦計量)に付随するツイスター空間は3次元複素多様体である。自己双対計量がキリングベクトル場をもつとき、その積分曲線のなす空間にはEinstein-Weyl構造と呼ばれる構造が入ることが知られている。これは共形構造とそれに両立する射影構造の組であって、一種のEinstein方程式を満たすものである。3次元多様体上のEinstein-Weyl構造にはミニツイスター空間と呼ばれる複素曲面が対応することが知られている(Hitchin)。本年度はこれらミニツイスター空間の研究を行い、筆者が以前構成したコンパクトなミニツイスター空間に対してその上のミニツイスター直線を具体的に記述した。その結果、これまでミニツイスター直線とは呼ぶことのできない(つまりEinstein-Weyl多様体の点を定めるようには思えない)代数曲線もミニツイスター直線のようにふるまうことを見出した。この代数曲線は可約であり、Einstein-Weyl空間をある意味で完備化する役割を果たすことがわかった。
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