研究課題/領域番号 |
16H03937
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
成 慶明 福岡大学, 理学部, 教授 (50274577)
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研究分担者 |
山田 光太郎 東京工業大学, 理学院, 教授 (10221657)
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
塩谷 隆 東北大学, 理学研究科, 教授 (90235507)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 平均曲率フロー / 特異点 / 最大値原理 / リーマン多様体 / 部分多様体 |
研究実績の概要 |
本研究課題の研究目的を達成するために、研究代表者と研究分担者は平成28年11月3日から11月6日まで福岡大学微分幾何学研究集会:Geometry and Analysisを主催し、微分幾何学の情報収集を行った。さらに、平均曲率型フローに現れる特異点に関する幾何構造を究明するために、プリンストン大学Tian Gang教授、南開大学Zhang Weiping教授、清華大学Li Haizhong教授、北京大学Liu Xiaobo教授と東京大学二木昭人教授、京都大学山口孝男教授などを招聘し、平成29年3月23日から3月27日まで第7回国際微分幾何学ワークショップを開催し、平均曲率型フローおよび部分多様体の幾何学とリーマン多様体の幾何学に関する研究打ち合わせを行った。 1. 研究代表者と研究協力者Wei Guoxin教授と共同でコンパクトで埋め込みλ-超曲面の構成を研究し、重要な進展を得た。さらに、完備λ-超曲面のrigidity定理を得た。2次元完備セルフーシュリンカーの分類研究を行い、第2基本形式の長さが一定の条件のもとで、完全な分類を与えた。 2. 研究分担者山田らは3次元ローレンツミンコフスキー空間の空間的極大曲面で,時間的極小曲面への解析的接続をもつクラスを定義し、これらの曲面が properly immersed な曲面になること、ある仮定のもと自己交叉を持たず、平面上の entire graph となることを示した。3次元ユークリッド空間の閉波面に対するガウス・ボンネの定理を、高次元の閉波面に対して、「ガウス写像の写像度」の立場から高次元化した。 3. 納谷はランダム群のヒルベルト空間へのアフィン作用に対する固定点定理を得た。 4. 塩谷は測度距離空間においてGromovが定義したオブザーバブル直径とCheegerの等周定数の関係を調べ,ある種の最適な不等式を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の研究計画に沿って、部分多様体の微分幾何学に関する研究手法と最大値原理を用いて、平均曲率型フローに現れる特異点に関する幾何構造の研究を順調に進んでいる。特に、平均曲率フローの完備セルフーシュリンカーの分類研究、コンパクトで埋め込みλ-超曲面の構成の研究、3次元ローレンツミンコフスキー空間の空間的極大曲面、時間的極小曲面への解析的接続をもつクラスに関する研究および測度距離空間においてGromovが定義したオブザーバブル直径とCheegerの等周定数の関係について、非常に重要な進展を得た。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の研究計画に沿って、確立した基本的な研究方法を踏まえて、新しい研究方法を発案する。それを用いて、平成28年度の研究成果を基にして、平均曲率型フローに現れる特異点に関する幾何構造の研究、部分多様体の幾何学に関する研究およびとリーマン多様体の幾何学に関する研究を推進する。特に、コンパクトで埋め込みλ-超曲面の構成を完成するように努める。なお、コンパクトな超曲面におけるヤコビ作用素の固有値の評価および閉曲面上のラプラシアンの第1固有値に関する研究成果を得るように努力する。測度距離空間とローレンツミンコフスキー空間の空間的極大曲面に関する研究に対して、国際研究動向を洞察し、最新情報の収集を行う。本研究課題の研究目的を達成するために最大限に努力する。
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