研究課題/領域番号 |
16H03940
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 誠 山形大学, 理学部, 教授 (70312634)
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研究分担者 |
杉本 充 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (60196756)
和田出 秀光 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (00466525)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 偏微分方程式 / 非線形 / アインシュタイン方程式 / 非線形場 / 初期値問題 |
研究実績の概要 |
本年度は、宇宙論における時空計量として非エルミート計量を考察し、計量と時空のガリレイ変換・回転変換・ローレンツ変換の間の関係について考察した。アインシュタインの重力場方程式の非エルミート計量および高次元空間への一般化に取り組み、宇宙原理の下で重力場方程式を満たす時空計量の導出を行った。宇宙論における宇宙項をダークエネルギーのモデルとして、完全流体のエネルギー・ストレステンソルを用いて時空計量を導出した。その時空における非線形場方程式の導出と、得られた方程式の初期値問題を考察し、空間の膨張と収縮がもたらす効果について偏微分方程式論を用いて研究した。非線形場方程式の非相対論的極限も考察した。また、次の研究も行った。尺度不変性の意味で臨界な相互作用を表す多項式型の非線形項を持つシュレディンガー方程式の初期値問題を考察した。初期値をソボレフ空間から与える場合、関数の正則性と非線形項のオーダーの関係を、方程式の構造から考えて最適となる条件の下で、時間大域解の存在について考察した。時間微分可能性も考慮したストリッカーツ評価の改良に取り組んだ。べき乗型で尺度不変な非線形項を持つシュレディンガー方程式の初期値問題を考察し、ソボレフ空間に属する初期値の高周波部分が十分小さければ初期値問題は時間大域解を持つことを示した。更に、Trudinger-Moser型の臨界指数関数型非線形項も考察し、初期値の高周波部分が小さければ時間局所解が得られることを示した。本研究の成果を論文として発表し、経過報告を国際研究集会と国内研究集会で発表するとともに、参加した研究者と研究動向・問題点・解決方法について研究討論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に沿って進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も計画に沿って研究を進める。
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