研究課題/領域番号 |
16H03953
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
矢崎 成俊 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00323874)
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研究分担者 |
石渡 哲哉 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50334917)
木村 正人 金沢大学, 数物科学系, 教授 (70263358)
長島 和茂 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70339571)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 境界追跡法 / クリスタライン曲率 / 離散曲率 / 直接法 / 界面現象 / 負結晶 |
研究実績の概要 |
雪氷現象,広くは界面現象の数学的な取り扱いについて研究が進んだ.平面における界面現象の場合は,界面を境界線とし,空間における界面現象の場合は,界面を境界面とするような,界面現象における界面は,平面や空間を内と外に鋭く分割するという仮定をおく.この仮定のもとで,多くの界面現象に共通することは,界面における表面張力の存在,数学的には界面の曲率の計算が要請されることである.本年度は,特に,界面現象が平面内でおこるという仮定のもとで,数値的に現象を追跡することを考えた.また,直接法によるアプローチを主たる手段とした.直接法では,曲線は折れ線で近似される.どのような折れ線がよいのか.また,曲線上で定義された曲率が,折れ線上ではどのように定義されるのが自然であるのか.このような観点から,境界追跡法の一つの汎用スキームが開発された. いくつかの具体的問題に関する研究も進んだ.例えば,Hele-Shaw問題については,極めて汎用性の高い一般的なスキームの開発がなされた.収束性の解析は,依然として大きな課題として残ったままであるが,構造保存型スキームの開発という観点からは,大きな進展があったといえよう. また,空像(負結晶)の変形現象のモデル化とその解析についても進展した.数学解析と数値解析の両側面の研究がなされた.数学解析においては,面積保存クリスタライン曲率流方程式を用いたモデリングとその解の漸近挙動が示された.また,数値計算も同時になされ,現象をよく近似していると思われる計算結果を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在,Hele-Shaw問題,空像問題を中心に研究の実績があがっている.新しい発見もあり,当初の予定以上の進捗といってよい.
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究を論文として仕上げる作業を遂行すると同時に,Hele-Shaw問題,空像問題,雪結晶問題,そのほかの界面現象の課題についても研究を推進する.
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