研究分担者 |
野上 大作 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20332728)
本田 敏志 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (20425408)
前原 裕之 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (40456851)
浅井 歩 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50390620)
一本 潔 京都大学, 理学研究科, 教授 (70193456)
磯部 洋明 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (90511254)
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研究実績の概要 |
太陽面爆発(フレア)に代表される太陽活動は、地球環境「宇宙天気」に様々な影響や被害を及ぼすことが知られており、その宇宙天気の予報「宇宙天気予報」は、人類文明の緊急の課題である。本研究では、宇宙天気現象の中でも特に巨大な太陽白色光フレアと、ケプラー衛星により最近次々と発見されている太陽型星での「スーパーフレア」、つまり最大太陽フレアの100~1万倍のエネルギーを解放する超巨大フレアとの比較研究を行っている。
スーパーフレア星には太陽黒点より1桁以上大きい巨大黒点が存在すると推定されることから、スーパーフレア発生の解明のためには、どのようにして巨大黒点が生成・消滅するのか?を明らかにすることが重要であり、恒星黒点の面積の時間変化の調査が鍵であると考えられる。そこで、巨大黒点を持つ太陽型星の自転によって生ずる光度変化から、恒星黒点の面積の生成・消滅率を調べたところ、太陽黒点の経験則と同じであることを発見した(Namekata et al. 2019, ApJ, 871, id.13)。 また、西はりま天文台で観測されたM型星フレアの分光観測を行い、発見されたスペクトル線の謎の青色非対称に関する観測的特徴を学術論文としてまとめ、報告した(Honda et al. 2018, PASJ, 70, id.62)。 加えて、M型星や太陽型星のスーパーフレアから放射される白色連続光の起源に関して放射輸送計算とフレア電磁流体モデルを用いて詳細に検討したところ、従来の考えと異なり、白色連続光はループの足元の彩層・光球からだけではなく、高密の(ポスト)フレアループから放射されている可能性もあることが判明した(Heinzel and Shibata 2018, ApJ, 859, id.143)。 さらには、2018年に完成した京大岡山天文台せいめい望遠鏡において、M型フレア星の観測を行い、連続光やH-alpha線での増光を検出することに成功した。この成果は現在学術論文としてまとめている。
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