研究課題
研究最終年度の平成31年度は、これまですばるHSCを用いて取得されたサーベイデータを使って、巨大ブラックホールの異なる進化段階にある多様なAGN種族のサンプル構築とその拡大を推進した。特に電波銀河については、赤方偏移4.7の電波銀河を新たに発見した(Yamashita, Nagao, et al. submitted)。これまで見つかった電波銀河の中で4番目に遠い天体となる。更に、HSCで見つかった可視光で暗い電波銀河の中に活発な星形成活動を示すものが含まれている事は昨年度に確認していたが、巨大ブラックホール成長の観点でも非常に若く活発な天体が含まれている事を見出した(Ichikawa, Yamashita, Toba, Nagao, et al. submitted)。電波銀河に急成長中の巨大ブラックホールが含まれているという描像はこれまでほとんど検討されておらず、巨大ブラックホール進化に関して極めて興味深い知見が得られた。塵に覆われたAGNについても、前年度に発見していた可視光で顕著に青い色を示す塵に覆われたAGNについてVLTを用いた分光観測を行った結果、非常に大きな輝線速度幅および等価幅を示す事が判明した。この結果は、可視光で青い塵に覆われたAGNがまさに塵を放射圧で吹き飛ばしつつある段階にあるというシナリオと合致する(Noboriguchi, Nagao, et al. 論文準備中)。更に将来的な可視光-エックス線の連携広視野AGN探査に向け、昨年度まで国際連携体制を構築していたHSC-eROSITA共同研究について、無事にeROSITAの打ち上げが成功した事を受け、eROSITA試験観測データを用いた実際のAGN探査を開始した。この初期成果を得るための分光観測が悪天候により遅延し、計画期間内に完了しなかった事は残念だったが、近い将来に確実な成果が期待される。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 14件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 18件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
The Astrophysical Journal
巻: 889 ページ: id.76
10.3847/1538-4357/ab616d
巻: 889 ページ: id.137
10.3847/1538-4357/ab6596
巻: 891 ページ: id.64
10.3847/1538-4357/ab718c
巻: 891 ページ: id.177
10.3847/1538-4357/ab7917
巻: 876 ページ: id.1
10.3847/1538-4357/ab1415
巻: 876 ページ: id.132
10.3847/1538-4357/ab1754
巻: 878 ページ: id.73
10.3847/1538-4357/ab0d22
The Astrophysical Journal Supplement Series
巻: 243 ページ: id.15
10.3847/1538-4365/ab238d
巻: 880 ページ: id.77
10.3847/1538-4357/ab29e9
巻: 881 ページ: id.145
10.3847/1538-4357/ab2cd3
巻: 883 ページ: id.183
10.3847/1538-4357/ab3c60
巻: 883 ページ: id.L29
10.3847/2041-8213/ab412e
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: 488 ページ: 5029-5041
10.1093/mnras/stz2034
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 71 ページ: id.111
10.1093/pasj/psz096
巻: 888 ページ: id.8
10.3847/1538-4357/ab5718