研究課題
多次元輻射流体計算にもとづき、AGN近傍 sub-pc -数10 pc領域のガス構造を決める新しいメカニズムとして、我々が提案しているRadiation-driven Fountain(輻射駆動噴水モデル)を最も近傍の2型セイファート銀河である、Circinus Galaxyに適用した結果、SEDなどが観測と一致することを示した論文を出版した(Wada et al. 2016)。研究成果はダートマス大学での国際会議(8月)、東京大学(8月)、呉市(10月)、国立天文台(2月)の国内研究会、日本天文学会春季年会(3月)で発表し、関連研究者と議論した。スウィンバン工科大学に滞在し、M.Schartmann博士らとAGN、中心スターバーストの数値計算に関する共同研究を行った(12月)。数値計算・解析を行う計算機システムを構築した。大学院生を東京工業大学に派遣し、AGN周辺の星間ガスへの輻射フィードバックを計算する粒子法による数値流体計算コードの研究を開発者と行った。Circinus galaxyのモデルをもとに、分子ガス、電離ガスの輻射輸送計算を行い、観測結果と比較する研究を行った(日本天文学会で大学院生が発表)。
1: 当初の計画以上に進展している
成果を査読論文として発表した他、大学院生が日本天文学会で成果発表を行えたため。
次年度は、本研究費で雇用されるポスドク研究員が着任するので、磁場の効果を考慮したAGN周辺の星間ガスのダイナミクス・構造の研究を行う。また、分子ガス、電離ガスの輻射輸送計算による観測結果との比較の研究を論文としてまとめる。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
The Astrophysical Journal Letters
巻: 828 ページ: L19,L26
10.3847/2041-8205/828/2/L19
Astronomy & Astrophysics
巻: 590 ページ: A73, 12pp
10.1051/0004-6361/201527664