研究課題
多次元輻射流体計算にもとづき、AGN近傍 sub-pc -数10 pc領域のガス構造を決める新しいメカニズムとして、我々が提案しているRadiation-driven Fountain(輻射駆動噴水モデル)を最も近傍の2型セイファート銀河である、Circinus Galaxyに適用した理論モデル(Wada et al. 2016)に対して、モンテカルロ法による3次元輻射輸送コードを用いて、一酸化炭素輝線強度分布を計算し、星間ガスの物理状態との関係、水素分子ガス質量への換算比、などを明らかにした。その結果を査読雑誌に発表した(Wada et al. 2018)。 研究成果はイタリア・セストでの国際会議(7月)、日本天文学会秋季年会(9月北海道大学)で発表し、関連研究者と議論した。マックスプランク研究所(ガルヒン・ドイツ)に滞在し、M.Schartmann博士、A. Burkert教授らとAGN、中心スターバーストの数値計算に関する共同研究を行った(7月)。Circinus galaxyのモデルをもとに、分子ガス、電離ガスの輻射輸送計算を行い、観測結果と比較する研究を行った。本研究費によって雇用したポスドク研究員(工藤)が着任し、磁場が入った場合のAGN近傍星間ガスの計算を行い、日本天文学会春季年会(3月、千葉大学)で発表した。ALMA観測データ(Circinus galaxy)と理論モデルの比較に関して、国立天文台の泉らと共同研究を行い、Cycle 6の観測提案に活かした。また、典型的な2型セイファート銀河 NGC 1068の中心部の高分解能ALMA観測に参加し、成果を査読雑誌に発表した(Imanishi et al.)
1: 当初の計画以上に進展している
成果を査読雑誌に発表した他、ALMAの観測データが得られたことが理論モデルとの直接比較について、国立天文台の泉らと共同研究が進んでいるため。
磁気乱流によるAGN近傍トーラス構造の解明を行い、結果を査読雑誌に発表する。また、AGNからの輻射による電離ガスの3次元構造、分光学的特徴に関して、愛媛大学の共同研究者らと研究を進める。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
The Astrophysical Journal
巻: 852 ページ: 88, 99
10.3847/1538-4357/aa9e53
The Astrophysical Journal Letters
巻: 853 ページ: L25, L32
10.3847/2041-8213/aaa8df
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society,
巻: 473 ページ: 953, 968
10.1093/mnras/stx2381
Astronomy & Astrophysics,
巻: 608 ページ: A22, A30
10.1051/0004-6361/201730650