研究課題
分子雲の進化を解明を目指して天の川のサーベイ観測を行う研究を開発面と観測面から展開した。開発面の研究では、中世炭素原子CIと一酸化炭素COの同時観測を行うために、500GHz帯受信機の中間周波数帯域の拡大を行ない評価試験を実施した。しかし、雑音やイメージ抑圧比で所望の性能には達成しなかった。原因を検討したところ、ミキサー部の帯域外の周波数特性が当初予想した値より悪いことが推測できた。所望の性能を得るには、ミキサー本体の改良が不可欠なことが判明した。800GHz帯のサイドバンド分離型2SB受信機の開発では、ミキサー前段でサブミリ波の観測信号を等分し、90度の位相差を設ける導波管ハイブリッドの製作を行い、ベクターネットワークアナライザーを用いて評価試験を実施した。信号の強度分割に関しては、シュミレーションの予想範囲の性能を得られた。位相の差の測定においては、位相制御の測定値に測定誤差が生じ、所望の性能が得られているか判定ができなかった。原因を追求したところ、測定系のケーブルが位相に影響を与えてることが判明した。この周波数帯域での測定の前例は無く、高い周波数においては位相測定が想定以上に困難であることが判明した。位相精度の高いケーブルに交換する等、測定面での対策が必要である。冷却受信機の製作を進めたが、導波管単体での測定が完了していないために、冷却受信機としての性能測定には至らなかった。観測面では、30cmサブミリ波望遠鏡の南極での運用を、関係機関と調整して目指していたが、実現には至らなかった。ただし、COの低励起状態の輝線やCIを用いて、天の川及び近傍銀河の星間物質の観測を進め、30cm鏡でのサブミリ波観測実現時の成果に備えた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1093/pasj/psy094
The Astrophysical Journal
巻: 864 ページ: 161~161
10.3847/1538-4357/aad7be
巻: 70 ページ: 1-6
10.1093/pasj/psy016
https://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~seta/