研究課題
太陽観測衛星「ひので」などの観測により、6千度の太陽表面(光球)と100万度のコロナの境界に位置する彩層・遷移層が、様々な磁気活動現象で満ち溢れていることが明らかになった。これらの活動現象は、コロナの加熱に重要な役割を果たしていると考えられ、既存の観測装置では不可能な彩層・遷移層での磁場観測が急務となっている。そこで我々は、観測ロケット実験CLASPを開発し、平成27年9月に世界初のライマンα輝線 (波長 121.6 nm) での偏光分光観測を成功させた。本研究は、打ち上げ後回収したCLASP観測装置を改良し、ライマンα輝線よりも精度よく磁場情報を取得できると期待される電離マグネシウム線 (280 nm) 用の高精度偏光分光観測装置・CLASP2の開発を行うものである。最終年度となる平成30年度は、昨年度より継続して行っていた観測装置の開発(新規開発部分の振動試験、偏光較正試験、全系での性能確認試験)を完了させた。途中、様々な問題に直面したが、国内外のチームメンバーと協力して解決し、当初の予定通りの平成30年11月、完成した観測装置を米国NASA/Marshall Space Flight Center (MSFC)へ出荷した。その後、米国チームと協力し、NASA/MSFCでフライトエレキとの結合試験、ホワイトサンズミサイル試験場 (WSMR) でロケットとの噛み合わせ試験を実施した。特に日本チームが主導して実施したのが、NASA/MSFCやWSMRへ輸送後、WSMRでの振動試験後、それぞれで実施した観測装置の健全性確認試験である。いずれの試験でも異常は見られず、打ち上げに向けて観測装置の準備が整った。なお、WSMRで予定されている他ミッションとの調整の結果、打ち上げは平成31年度早々となったが、ロケット側の準備も年度内に全て整い、後は打ち上げを残すのみとなっている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (4件)
Proceedings of the SPIE
巻: 10699 ページ: 1069930-1~13
10.1117/12.2312463
巻: 10699 ページ: 106992W-1~12
10.1117/12.2313056
https://www.nao.ac.jp/news/topics/2019/20190423-clasp2.html
https://hinode.nao.ac.jp/news/topics/clasp2-launch-20190422/
https://www.nao.ac.jp/en/news/topics/2019/20190423-clasp2.html
https://hinode.nao.ac.jp/en/news/topics/clasp2-launch-en-20190422/