MAXIの「未同定 短時間 軟X線 トランジェント天体」の正体解明のため、MAXIの全天監視観測を継続し、その即時位置決めやスペクトル観測を、MAXIと同じくISSに搭載されたNICERで実施し、時間領域で残されている急速減光天体を探る。 H30(2018)年度は(1)MAXIの継続運用を行い、418天体の活動を日々MAXI HP からデータ公開した。 (2)MAXIによる天体増光現象の監視と、突発天体の発見・速報を継続した。2018年6月7日にMAXIが発見したMAXI J1727-203では、MAXI-NICER地上連携を用いNICERで追観測を行った。NICERでは手動スキャンではあったが、今後は一連の動作を自動化するという目途がたった。2018年12月1日発見のMAXI J1810-222では、太陽位置近くでも観測できるNu-STAR衛星で追観測し、正確な位置が求められた。この他、MAXI J1724-298 (2018/10/16) 、MAXI J1631-479 (2018/12/21)、MAXI J1348-630 (2019/1/26) を発見した。()内はMAXI発見日。 (3)MAXI-NICER連携の即時観測の地上ルートの実施と高速化を図った。地上ルートでは、2018年8月から半年間、大学院生をNASA/GSFCに派遣し、NICER打ち上げから2019年3月までに食変光星アルゴルのフレアなど22 例の観測を行った。 (4)MAXI-NICER連携の機上ルートの準備を、日本側はJAXAと、アメリカ側はNICERチームと相談しながら進めた。OHMAN日本側ソフトウエアは地上試験を進め2019年1月にISSの機上PCで動作させることに成功した。2018年7月のISS R&D会議においてはMAXIとNICERからOHMANについて発表を行いNASAの関係者に広めた。
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